「いのち会議」とは、「いのち」とは何か、「輝く」とはどういうことか、「誰一人取り残さない」ために何をなすべきかを、あらゆる境を越えて考え、話し合い、それぞれが行動に移す場です。いのち会議 

アクションパネル

【開催報告】2024年10月24日(木)、いのち会議アクションパネル  エネルギー・気候変動「そろそろ皆で真剣に考えてみよう!!2050年カーボンニュートラルな未来社会」を開催しました!

2024年10月24日(木) いのち会議アクションパネル  エネルギー・気候変動「そろそろ皆で真剣に考えてみよう!!2050年カーボンニュートラルな未来社会」を開催しました。話題提供者の方々含め会場に27名、オンラインに25名が参加しました。以下に概要を報告します

開会挨拶 堂目 卓生(大阪大学総長補佐、「いのち会議」事業実行委員会副委員長):「『いのち会議』について」

✓ いのちの理念:「助けるいのち(capable)」と「助けられるいのち(vulnerable)」が常に入れ替わる可能性のある時代、前者ではなく後者を中心に据える共助社会

✓ いのち会議・宣言:40回以上開催してきたアクションパネル、ボトムアップで声を収集→いのちの理念を核とするアジェンダをソフトレガシーとして世界へ発信

西和哉(フリーコンサルタント)「脱炭素化に向けたモビリティ領域の動向」

✓モビリティにおける二酸化炭素削減要求と電動化:日本のCO2排出量の2割弱が運輸部門、9割弱が自動車→欧州を中心に運輸部門への削減要求

✓欧州自動車メーカーを中心にEVシフト*補助金廃止や紛争などで一時停滞も
*日本のEV購入意欲:他国に比べると割合・伸び率共に低い

✓水素燃料電池者:燃料価格・インフラ整備コストがネックに

✓電動化と電源構成:水力発電が中心のノルウェーのような国と、化石燃料中心の日本のような国との環境の違いを考慮する必要がある

✓日本:省エネによる電力需要減少→半導体工場などの大型投資もあり上昇見込。洋上風力発電など新エネの活用も含め現実的な電力供給方針の検討が必要

谷紀子(パナソニックエレクトリックワークス社エネルギー戦略室事業推進部グローバル推進課課長)「風力発電カップリングプラントにおける水素燃料電池の連携の可能性」

✓草津で太陽電池+蓄電池+純水素燃料電池の分散型エネルギーシステム実例実証
←エネファームのコア技術「スタック」を活かした純水素燃料電池の開発
→実際にレジリエンスの強化と環境への負荷低減を実現

姫路6社連携:水素輸送・利活用を通じて水素サプライチェーンの活用を目指す

✓マンチェスターでも水素を活用したCNの実現に向けた活動

✓万博でもNTTと協業で水素利活用に関するパビリオンを出展

✓風力発電カップリングプラント:飽和した電力で水素を作り、水素として供給
→欧州を中心に水素活用の市場がある中でインフラも含めてチャンスも大きい

廣瀬圭一(NEDO再生可能エネルギー部主査)「カーボンニュートラルに向けた直流利活用の状況について」

✓再エネ・水素利用の「カギ」としての電化・電気の効率的な利活用
←交通・データセンター・半導体利用などによる電化拡大

✓2種類の電気:直流(バッテリー・電池)と交流(コンセント)
→19世紀の電流戦争:変圧・長距離送電可能な交流が世界的な標準規格化
→近年:バッテリーや太陽光発電などの普及により直流と交流の変換の時代に
*エジソンの予言:将来全ての家庭に小型発電機と(電気)自動車の時代に

✓LED・リチウムイオン電池など直流に関わる技術:日本人研究者の貢献

✓直流送電:中国の長距離送電や海洋風力の海底送電などで直流方式が有利に
→「つくる」・「つかう」・「おくる」の様々な局面で直流の活用が今後の鍵になる一方で、市場規模の拡大、規格標準化の整備、社会的認知などの課題をどう解決するか

報告者間のやりとり

✓西:日本の技術の凄さを再認識した一方で、ルールメイクで欧州が先行する中で、日本企業の勝ち筋は何になるのか?
→谷:まずはインフラ整備・ルールメイキングの局面に入っていくしかない。例えば水素協議会に参加・インフラ整備への投資が必要だろう

✓西:日本における中国のような超長距離直流送電のユースケースの見通しは?
→廣瀬:日本では基本的には発生しないだろうが、洋上風力を沿岸から遠くにもっていく方針になっているなかで活用するのがメインになってくるだろう

✓谷・新藤:水素自動車の可能性について?
→西:自動車メーカーの戦略もあるが(バッテリーオンリーだと中国優位)、水素インフラの整備が一番大きなカギで、基本的にはバスやトラックなどで活用の可能性が大きい。ただ、自家用車では水素単体の自動車は難しく、複合燃料の一部として活用はされていく可能性はあるだろう

✓谷:直流活用と国の政策の関係?
→廣瀬:エネルギー活用計画でも少しずつは出てきている。ただ、海外の直流利活用技術の方がさらに進んでいるので危機感も。議論の場を増やす必要性

✓廣瀬:運輸やデーターセンターなど電化が進むが縦割りになっている分野を超えた連携は進みそうか?
→西:欧州では大分横の連携が進み始めているが、日本では大企業内でもルール作りも難しい状況。今後業界を超えた旗振りが不可欠だろう

✓廣瀬:水素をどう運ぶのか。超伝導を活用した電気と水素のハイブリッド輸送技術のようなブレイクスルーに繋がるようなアイデアは?
→谷:水素吸蔵合金による水素運輸の研究も進んでおり、万博でも展示予定

全体ディスカッション

論点①:このまま順調に温室効果ガスは削減するのか?

✓東日本大震災後の減少傾向もあったが、AI・データセンターの活発化による電力需要の増加が世界的に予想されるなかで、それへの解答がかなり重要

✓過去のエネルギー基本計画でも「無理め」な努力目標として設定されていた所に、新たな電力需要やエネルギー価格の上昇(紛争、カーボンプライシング)などがあり厳しい状況

✓「経済合理性」と「共感」のバランス。企業と個人の両方でどういう動きをするのか考えないといけないし、ブレイクスルーに重要な視点ではないか
→国単位でのバランスの違い。国民性に合わせた施策を考える必要性
→共感だけでなく必要に迫られて変革・規制が進むことも(地盤沈下など)環境問題自体が切羽詰まっていることの認知が進むことも。

✓生活スタイルの変化がもたらす電力消費量の上昇

✓運輸部門の削減をするには、EV関連者の販売比率を伸ばさないといけないが、なぜ日本では他国に比べて増えていかないのか?
→価格が最大の要因として、次に航行距離の問題(街乗りと長距離運航のミックスの比率が日本は高い)が大きい
→中国の「青空が見えない」、欧州の環境教育などを考えると、環境問題との関連付けが日本は低い様に感じる。よりリアルに感じられる環境教育が必要だろう

✓「誰による」「誰のため」のルールメイキングなのか?それをふまえてどう働きかけるべきなのか?
→最終的には国の投票によって決まるので、裏側も含めて粘り強い仲間作り・交渉が重要になってくる
→補助金の打ち切りに加えて、市場が成熟してない(ユーザーの意識とインフラ両面)というマーケットの問題の方が大きい

論点②・③:産業部門(工場等)を削減すればいいのか?ユーザーの負担はどのくらい? 業界毎に規制対応への温度差があるように感じる。

✓業界毎に規制対応への温度差があるように感じる。
→特に日本では化石燃料への依存度の高さの影響も。また論点①でも出たデータセンター需要の高まりが更に拍車をかける予想

✓今後日本では少子高齢化による内需減少が予想されることでCO2排出量削減も予想されるが、途上国では増加が予想される。産業界や民間での努力も進む中で大きく負担が大きくは増えないのではないかと予想
→サーキュラーエコノミーの経済的な効果を考えても乗り遅れない必要はあるし、環境問題単体で考えるのは得策ではないのではないか

✓負担に感じる中で自宅に太陽光パネルを付けたり、EVは高くいのえ自家用車を購入しないなどの選択をするなどの行動変容はありで、それに対して企業がどれだけ適切な方針を打ち出して行動出来るかの方がカギか。その際には産業間の連携や政府への働きかけによるルールメイキング、未来図作りが必要だろう

✓負担については、CNに限らずあらゆる経済活動に付随する問題であり、金額が上乗せされていたり、機能に制限がかかっている製品を購入したりすることは負担なのか?生産者やユーザー同士の繋がり(共感)によって上乗せできる価値を産み出せるかどうかが今後の鍵になるだろうし、いのち会議で議論したいこと