「いのち会議」とは、「いのち」とは何か、「輝く」とはどういうことか、「誰一人取り残さない」ために何をなすべきかを、あらゆる境を越えて考え、話し合い、それぞれが行動に移す場です。いのち会議 

いのち会議 | 設立の趣旨

近代以降、科学と技術の発展により、産業は発展をとげ、一人あたり GDP は継続的に増加し、人々の寿命は延び、消費生活は便利で豊かなものになりました。しかしながら、物質的な豊かさの追求は、人類やその他の生命体、あるいは地球そのものの「いのち」を脅かす様々な課題を生みました。19 世紀の半ばに 10 億に達した人口は爆発的に増加し、2050 年には90 億を超えると言われています。他方、日本のように少子化による人口減少の中で高齢化が進む国もあります。

このような中、国連において 2030 年をターゲットに「持続可能な開発目標(SDGs)」が定められ、「誰一人取り残さない」をスローガンに、人類が協働して地球環境の破壊、自然資源の枯渇、エネルギーや食糧の不足、伝染病の蔓延、経済の停滞、格差や貧困、紛争や戦争など、様々な課題に立ち向かうことが約束されました。

2020 年代に入ってから、人類は、コロナウイルス感染症の経験によって、またウクライナでの戦禍によって、誰もが「助けを必要とする人」になり得ることを学びました。この経験を活かし、私たちは SDGs が掲げる「誰一人取り残さない」精神のもと、互いの「いのち」を尊重し、助け合うとともに、すべての「いのち」を輝かせる活動を展開していかなくてはなりません。

以上の問題意識に立ち、2025 年に開催される「大阪・関西万博」に向けて、SDGs の理念や実践状況を確認し、「誰一人取り残さない」社会を実現するための方策や科学技術が果たす役割を提示した上で、さらに SDGs 後、すなわち 2031 年以後に人類が目指すべき目標を議論する「いのち会議」事業を推進いたします。そして、議論の結果を「大阪・関西万博」の場で「いのち宣言」の形にして世界に発信いたします。また、事業を進める中で構築される、ジェンダーや世代、地域や職業、文化や民族など、あらゆる違いを越えたネットワーク「共創ネットワーク」も、地球の未来を創る基盤となるレガシーとしたいと考えています。

すべての「いのち」が輝く新しい時代を切り拓くために、私たちは何を為すべきか、何ができるか。一人ひとりが地球の上で生かされている「いのち」の意識に立ってつながり、声を上げ、聞き合い、考え、話し、一つの声にしてグローバルなムーブメントにつなげていく場となる「いのち会議」事業の推進にご理解いただき、格別のご高配、ご支援を賜りますようお願い申し上げる次第です。

2023 年 3 月 24 日
「いのち会議」事業発起人
   国立大学法人大阪大学総長      西尾 章治郎
  公益社団法人関西経済連合会会長    松本 正義
  大阪商工会議所会頭          鳥井 信吾
  一般社団法人関西経済同友会代表幹事  生駒 京子
  同                  角元 敬治

「いのち会議」事業趣意書PDFはこちら


大阪大学は経済界などと一体となって「いのち会議」事業を立ち上げました。「いのち輝く未来社会」実現のために議論を重ね、活動しながら 2025 年に大阪・関西万博で「いのち宣言」を発するために動き出します。いのち宣言を発することは、2025 年の万博の大きなソフトレガシーになるとともに、いのちの重みを改めて考え、かみしめ、その尊さを日本が世界に投げかける大変重要な意義をもちます。企業、政府・自治体、NPO・NGO、そして博覧会協会とともに、国内外の他大学などとも連携しながら、学生を中心に次代を担う若者たちにも積極的な参加を促します。本事業を、平和で豊かな地球を目指し、「誰ひとり取り残さない」世界を実現するための価値ある宣言へとつなげ、2025 年以後も継続されるソフトレガシーを生み出す場に発展させてまいります。


「いのち会議」事業発起人
代表 国立大学法人大阪大学総長 西尾 章治郎
(2023/3/24 プレスリリースより)




「いのち会議」のロゴについて


INOCHI FORUM のイニシャルである「I」と「F」を、手を取り合いながら未来に向かって飛翔する生命体で表しています。
古代日本の勾玉(まがたま)に見立てることもできる温かく優しいデザインは、いのちへの愛と希望を表します。

「いのち会議」の取組にご関心のある方は、
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