いのち会議 | いのち宣言
2025年10月11日、「いのち宣言フェスティバル」が大阪・関西万博会場にて開催され、「いのち宣言」が発表されました。
この「いのち宣言」は、いのち会議の活動趣旨に賛同してくださった135人の方から寄せられた103本アクションプランをもとに作成されました。なお、アクションプランについては「いのち宣言を実現するためのアクションプラン集」としてまとめました。
今後、いのち会議は、「いのち宣言」(世界への約束)を実現するため、体制を整えながら、さらに活動を充実させてまいります。
引き続き、ご支援・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
なお、宣言に関連する提言は以下のリンクよりご覧いただけます。ぜひご覧ください。
「いのち宣言」
私たちに与えられた かけがえのない このいのち
はかなくて 傷つきやすく 時のなかで 変わっていく
どんないのちも 輝きを秘め
すべてのいのちは つながっている
ひとつ ひとつの いのちを
まもり はぐくみ つないでいこう
秘めた輝きを ときはなとう
生きている 意味をしろう
いのちのみなもとに かえろう
いのちを「かんじる」
人や自然と出会い 、それぞれの「いのち」を感じる
「いのち」のはかなさや傷つきやすさを感じ、
そうであるがゆえの「いのち」の尊さや喜び、秘められた輝きや価値を感じる
【宣言1-1】
アートを通じていのちを感じ、誰もがもつ慈しむ心を引きだそう
※関連する提言
1-1-1. アートによって、いのちのみなもとにつながろう。心の奥にある声を引き出し、響き合わせ、いのちを慈しむ心を世界にひろめよう
1-1-2. 「歌の力」を信じ、歌が好きなすべてのこどもが自分の地域で定期的に歌を体験できる拠点をつくり、一人でも多くのこどもが生きる力を身につけられるようにしよう
1-1-3. みんなでつくる音楽でいのちをはぐくみ、生まれ育った環境や障がいの有無にしばられることなく、誰もが自由で創造的で平和な共生社会を実現しよう
1-1-4. 国や民族、文化や宗教など、あらゆる枠を超えて、みんなで音を楽しみ、舞い踊り、いのちの鼓動を感じよう。そして、平和への願いと共感の輪を世界にひろげよう
1-1-5. 芸術作品が時代を超えて奏でる「いのちの声」にみんなが耳をそばだて、いのちの理解を深める場を構築しよう
1-1-6. 2025年を地球文明の転換点ととらえ、アートが育む創造力と想像力を社会に活かすことによって、自然とも調和し、誰もが幸せを感じられる持続可能な社会を実現しよう
【宣言1-2】
苦境や逆境の中にいる人びとの痛みを感じ、共感の輪を広げて「誰一人取り残されない」社会をつくろう
※関連する提言
1-2-1. 知的障がいのある人と友になり、すべての人が本当の自分でいることができる世界をつくろう
1-2-2. Human Healthcare の視点に立って、患者や障がいのある人の生き様や憂慮に共感し、それぞれに与えられたいのちの可能性を実現し、その人らしい人生を「生ききること」を支え合おう
1-2-3. 障がいの有無、性別、年齢、国籍、すべての垣根を超えて、誰もがオシャレを楽しめる世界の実現に向けて行動しよう
1-2-4. 多様性を尊重することと、「ひとりぼっち」の人を社会に優しく包み込むことは、相性がよくないかもしれません。だからオープンな気持ちで、みんなでルールをつくっていこう
1-2-5. 言葉にならない経験をしたとき、「自分だけ ? 」「どうせ誰もわかってくれない ! 」と孤独な気持ちになることがあるでしょう。そんなモヤモヤをもちよって、一緒に言葉をつくってみませんか
【宣言1-3】
自然や文化、精神活動を通じて、いのちを感じる力を育み、いのちのみなもとを感じよう
※関連する提言
1-3-1. 現代社会でいのちを感じる力を育むために、禅とマインドフルネスの実践の場をひろげ、国際的なカンファレンスの実施や教育、研究、地域連携を推進しよう
1-3-2. 自然と時間を耕す建築へ─ 400年前に切り出された石とともに人と文化の未来像を描こう
1-3-3. 「庭」という自然と人を結ぶ空間を通じていのちを共に感じ、考え、分断と不安の時代を乗り越えよう
1-3-4. いのちへの共感やつながりを感じることができるエンターテインメントの空間を、移動可能・変形可能な構造を持つ施設の普及によってひろめよう
いのちを「まもる」
さまざまな脅威から「いのち」をまもる
特に傷ついている「いのち」、弱められている「いのち」に向き合い
寄り添い、手を差し伸べる
【宣言2-1】
いのちの尊厳に立ち返り、憎しみの連鎖を断ち切って平和な社会を築こう
※関連する提言
2-1-1. 誰もが大切にされ、安心して平和に生きられる世界をつくるために、いのちの尊厳に立ち戻り、世界で起きていることを知り、行動しよう
2-1-2. 紛争で奪われたこどもたちの未来を取り戻すために、元こども兵の社会復帰支援と地雷除去活動を通じて平和な社会を築こう
2-1-3. 世界で続く「憎しみの連鎖」をほどくために、紛争による被害者への支援に加えて、武器を取ってしまった若者たちへのエンパワーメントを拡充しよう
【宣言2-2】
市民が互いに信頼できるしくみをつくり、誰もが自由に意見を表明し、自由に活躍できる社会をつくろう
※関連する提言
2-2-1. オープンで民主的な社会の基盤である、市民社会の自由な言論・活動のための社会空間を守ろう
2-2-2. ネットと実際の対話を組み合わせて、みんなの「よりよい社会をつくるアイデア」を集め、世界の人々といのちについて考え、新しい未来をつくっていこう
2-2-3. 現実でもネットでもお互いに信頼しあえる社会をつくろう。そのためになりすましの防止と安全なコミュニケーションの実現を支えるデジタル技術を活用しよう
【宣言2-3】
普段から災害時を想定した防災のしくみを整えよう
※関連する提言
2-3-1. 災害に特別に備えることだけでなく、平時の法制度に災害時のことをあらかじめ規定することで、「フェーズフリーな法制度」に変えよう
2-3-2. 防災における「つながり」の盲点となっている宗教施設・科学技術・自治体の連携で「多様性によるイノベーション」を起こし、レジリエントな共生社会をつくろう
2-3-3. 大学のキャンパスなどを活用して被災者をまちぐるみで支援し、「心の世界」と「実世界」とをつなぐための防災地域・キャンパスづくりを実践しよう
【宣言2-4】
資源リサイクルやエネルギー循環のしくみをつくり、地球の環境を守ろう
※関連する提言
2-4-1. 都市データの共有プラットフォーム(デジタルツインプラットフォーム)を構築し、その活用、システム統合により、脱炭素化、廃棄物ゼロ、災害レジリエンスを実現して、都市を安全で持続可能な環境へと変革しよう
2-4-2. みんなの「いのちの水」をみんなのためにみんなで守ろう。雨が降って大地に浸みこみ川や地下水となって流れる自然の恵みを上手に活かす昔ながらのしくみや施設を未来につなごう
2-4-3. プラスチックを、使用後もごみになることなく再びプラスチックになるような、繰り返しリサイクルできる製品にし、資源を守り循環させる社会をつくろう
2-4-4. ごみゼロは地球を救う。いのちをまもるための持続可能な世界のしくみをつくろう。そのためには地球人としての共感が不可欠です。身近なごみ削減の成功は大きなヒントになります
2-4-5. 窒素の良い循環が、健康な土や水を、元気な草や牛を、そしておいしい牛乳をつくる。「うんち」を技術でより良く循環させ、地球の窒素問題に対応しよう
【宣言2-5】
先端技術を活用し、個人や家族に寄り添ったいのちのケアを実現しよう
※関連する提言
2-5-1. 医学におけるレジリエンスの向上を通じて未来医療を推進し、どのいのちも取り残さない、いのちが輝き続ける未来社会を実現しよう
2-5-2. 科学技術を活用して個々の健康管理と多様性の尊重を推進し、すべての人がいのちをまもり、はぐくみ、かんじる未来を実現しよう
2-5-3. 心理学的アプローチを活用してトラウマの解消と潜在能力の活性化を推進し、人間が本来持っている潜在能力に気づき、イノベーションを創出しよう
2-5-4. 医療と福祉のデータを統合し、AI などを活用することによって、一人ひとりの生活や考え方にあったケアと予防を実現しよう
2-5-5. 治療方法が見つかっていない病気で苦しむ人たちの想いと声を聞いて、ともに考えるしくみづくりをしよう
いのちを「はぐくむ」
多様な「いのち」の秘めた力を見いだし「善く生きる」ために活かす
社会のしくみを整え、ひとりひとりの潜在能力を伸ばす
自然の恩恵を持続可能な形で受ける
【宣言3-1】
さまざまな学びを通じて貧困の連鎖を断ち、差別や格差をなくしすべての人が安心して生きられる社会にしよう
※関連する提言
3-1-1. いのちを守るために、男女を問わず、すべての人が平等な人間関係を築けるよう、Well-being を根本に据え、自分らしく生きられるような教育を実施しよう
3-1-2. すべての人が安全に安心して暮らせる世界をつくるため、そして貧困の連鎖を断ち切るため、すべての人、とりわけ女性が教育を受けられるようにしよう
3-1-3. テクノロジーを用いた教育の力で不条理を乗り越え、すべての人が希望を持って学び、未来を信じられるようにしよう
3-1-4. デジタル教育と伴走支援を掛け合わせることによって、困難を抱えるこどもたちの「希望の循環」をつくり、貧困の連鎖を断ち切ろう
【宣言3-2】
こどもや若者が自由に思いや意見を表明し、意思決定に関われる社会にしよう
※関連する提言
3-2-1. こどもの意見が尊重され、こどもが、こどもどうしで、あるいはおとなとともに、民主的な対話ができる社会を実現しよう。そのような社会を担う次世代のおとなを育てよう
3-2-2. こどもたちが自分とともに他者のいのちを大切にし、守るための具体的な行動を起こせる人になるよう、自分自身と社会の未来に展望が持てる教育活動を学校現場にひろげよう
3-2-3. こどもや若者たちが自らのアイデアを分かち合える新たな仕組みを築き、互いに協力し、解決策に貢献することを通して、災害に立ち向かう力をはぐくみ、世界規模での防災力向上の一員となれるようにしよう
3-2-4. 次世代が、未来の可能性を思い描き、自らの行動によって未来を選び、つくることができる社会を構築しよう
3-2-5. こどもたちの純粋な思いに触れることで優しさが内発的に湧きあがることを知り、誰もが持つ良心を制限なく発揮できる世の中で、それぞれのいのちを育み、生かしあおう
【宣言3-3】
市民目線で情報を共有し、消費や投資、日々の選択を通じて持続可能な社会をつくろう
※関連する提言
3-3-1. 「買い物は投票」。未来の幸せにつながる選択が、誰でもいつでもできるよう、市民目線のわかりやすい情報を提供し、ライフスタイルと社会のしくみを変えていこう
3-3-2. 一人ひとりが勤労者・投資家・購買者として、企業の社会価値を表す ESG 情報で企業選択をすることにより社会に好循環を生むことで、「三方よし」の持続的社会経済を実現しよう
3-3-3. 地球上のすべてのいのちをまもる装いを。責任ある生産と消費で、未来を紡ぐファッションを選ぼう
3-3-4. 環境、社会、人間に与える企業のさまざまな影響を見えるようにして、人や社会を豊かにする優しさを持つ企業をみんなで応援し、経世済民( 人びとを救い、平和で豊かな世をつくる)を実現しよう
3-3-5. コミュニティ通貨を使って、社会のしくみを、資本主義から新たな共助のしくみである「共感資本社会」に転換しよう。また、ビジネスで使う言葉から「戦(いくさ)」で使うような言葉をなくそう
【宣言3-4】
ソーシャルビジネスや公共政策を通じて、住民どうしが学び合い地域社会の未来を切りひらこう
※関連する提言
3-4-1. 社会を支えるだけでなく、社会によって支えられるソーシャルビジネスの普及によって、共感に支えられた未来を実現しよう
3-4-2. 株式制度という、資本と労働の価値分配の仕組みを超えて、人びととコミュニティが生み出す価値のうえに新しいガバナンス社会をはじめよう
3-4-3. 多様な世代が生き生きと暮らせるミクストコミュニティづくりにより、公営住宅が集積する地域で高齢者や低所得者が孤立しないようにしよう
3-4-4. 公共図書館と地元の歴史的スペースが連携し、地域の物語や体験をデジタルアーカイブで保存・共有することによって、地域社会における多世代間の対話と結びつきを深めよう
いのちを「つなぐ」
様々な差別や偏見 、分断を乗り越え 、敵意のない世界を実現する
自然と共生し、全体がひとつの大きな「いのち」であることに気づく
過去、現在、未来へと「いのち」をつなぎ、大きな「いのち」を持続させる
【宣言4-1】
いのちの視点に立ち、国・民族・人種・世代などによる対立や、分断を乗り越える創造的対話を促進しよう
※関連する提言
4-1-1. 文化の多様性を尊重するとともに、異なる文化に属する他者と、同じ時代を生きる者としての共感をはぐくみ、一つ一つのいのちの大切さとそのつながりをいつくしもう
4-1-2. 多様な存在をかき混ぜ、多様ないのちが自分らしく輝き協奏し続ける遊び心と包摂性に満ちた、誰もが創造性を発揮できる社会・文化を構築し、新たな学校や企業、病院などを生みだそう
4-1-3. 対立・分断を乗り越える「創造的対話」を設計し、それを推進していくための人や組織を育てよう
4-1-4. 高校生が大学生とともに、S DGs を主題とし、正解があることを自明の前提とせず、他者と議論しながら自分の問いを立て、自分の言葉で社会に向けて未来への提言ができるようにしよう
4-1-5. 世代、セクター、人種などを超えて、多様な他者と多様な環境において、共に問い、共に考え、共に学び、共に挑み、共に磨く、「共創型教育」をひろめよう
4-1-6. 都市と農山漁村、高齢者とこども、アナログとデジタルなど、異なったものを掛け合わせながら、本音で語り合える場を通して、智慧と勇気を育み、明るい未来を創造しよう
4-1-7. 若者を中心に、イノベーション、起業、文化交流を通じたアフリカと日本の絆を深め、持続可能な未来を共創しよう。志をもって行動し、ともに解決策を築くことによって、グローバルなムーブメントを起こそう
【宣言4-2】
すべてのジェンダーの人びとがつながり、学び合い、誰もが自分らしく生きられる社会をともにつくろう
※関連する提言
4-2-1. ジェンダー平等の考え方を、政策やシステムに取り入れ、あらゆる分野に浸透させ、 女性たちが相互につながり、学び合い、ジェンダー平等にもとづいた持続可能な社会の新しいカタチを実現しよう
4-2-2. ジェンダー平等を実現する具体的な一歩として、みんなで月経について「知る・支える」をひろめよう
4-2-3. 家庭、学校、職場、地域などで「いない」ことにされているLGBTQ+ などの性的マイノリティやその周辺の人たちが、安心して息のできる場所を増やそう
【宣言4-3】
すべての人が安心してつどい、つながり、役割や生きがいを持てる居場所を地域にひろげよう
※関連する提言
4-3-1. こども食堂の活動を広げ、人と人をつなぎ、いのちをはぐくみ、 輝かせる「居場所」がいたるところにある日本と世界を実現しよう
4-3-2. 一人ひとりの若者が自分の未来に希望を持てる社会のために、繁華街でのこどもや若者のセーフティネットをみんなでつくろう
4-3-3. こどもや若者を中心に、社会に生きる一人ひとりが社会のかけがえのない一員として大切にされ、社会の中で「居場所と出番」を持つことができる共生社会をみんなでつくろう
4-3-4. その人らしさを大切にし、一人ひとりの心に寄り添うケアの実践を通して、高齢者など、多様な人びとが役割を持ち合う共生型地域コミュニティを実現しよう
4-3-5. 認知症を「人生最大の成長ステージ」と捉え、今できることに目を向け、感謝を胸に生きることで、誰もが身体を大切にし、安心して暮らせる優しい共生社会を築こう
4-3-6. 病や障がいのある人も含め、すべての人の中に健康というかけがえのない資産を育み、家族や地域、職場、そして地球のケアに、人びとが主体的に関わることのできる社会をともに築こう
【宣言4-4】
地域や立場を超えたネットワークでつながり、いのちを大切にする地域づくりを進めよう
※関連する提言
4-4-1. 地域コミュニティで自分たちの SDGs をつくり、実践しながら、いのちの尊厳を守り育てる社会を構築しよう
4-4-2. やっかいな問題を解くために、所属や分野を越える「つながり」をつくる「ハブ」を見出し、活躍できるようにしよう
4-4-3. 多様な文化をはぐくむ共同体の願いにかなうビジネスを実践し、未来が歓迎する美しい経済の風景をつくろう
4-4-4. 自然や食べ物をつくってくれた人たちに思いをはせて、いただこう。一人ひとりが、大切なものを未来の世代につないでいく役割を持っていることを心にとめよう
【宣言4-5】
企業と社会が対話を深め想いと信頼にもとづいた共助の経済システムをつくろう
※関連する提言
4-5-1. 企業が自分の行動に責任を持ち、未来のありたい姿を描いて社会に説明し、企業と社会が対話して、環境や社会の課題解決に向けて一緒に行動していく社会を実現しよう
4-5-2. リベラルアーツを土台に社会課題に向き合い、共助経営を実践し、持続可能な社会の構築を提案しよう。そして、未来の「いのち」に対する敬意と謙虚さを共有しよう
4-5-3. 「想い」が社会を動かす力となるよう、信頼と共感を基盤とした資金循環のしくみをひろげることで、声なき声に応える持続可能な社会を実現しよう
4-5-4. 人間を「富を生み出すモノ」としてではなく「いのち」としてとらえ、人権に向き合うビジネスの世界を創ろう
4-5-5. 異なる立場の世界観を理解し、経済を支える資源の源に目を向け、源泉と私たちをつなぐリーダーシップによって持続可能な社会を実現しよう
4-5-6. 価格だけでなく「雇用の数を競う」公共調達と、「雇用の質を問う」中間支援組織の連動で、みんなの「働きはじめる」「働きつづける」を支えよう
【宣言4-6】
自然の中で生かされていることに気づき、自然とともに生きる道をひらいていこう
※関連する提言
4-6-1. 「鎮守の森」や「八百万( やおよろず)の神様」といった日本の伝統文化における自然観を再発見し、生物多様性や生態系の保全、人間と自然の共生のあり方など、現代的な課題の解決につなげていこう
4-6-2. それぞれの地域で自然と調和した伝統的な暮らしを取り戻すことによって、いのちのつながりと循環を甦生し、いのちを大切にする社会を継承しよう
4-6-3. 働く場や企業が保有する自然・知的資産、および文化資産を一般の人びとに開放し、いのちを大切にする社会を実現するための拠点にしよう
4-6-4. サンゴ礁が多様な自然を包み込みながら成長するように、地域と時代を超えてヒトと自然をつなぐサンゴの方舟( 洋上大学)によって、世界中の独自の自然と文化が尊重され共栄する未来をつくろう
4-6-5. 人間以外のいきものに、これまで人類が占有してきた土地を還していこう
4-6-6. 自然がヒトからかけられている迷惑を「いのちの声」として目に見えるようにし、それをヒトの考え方や行動を変えるきっかけにしよう。そして日本での実践を世界のしくみにしよう
いのちを「しる」
「いのち」のみなもと、「いのち」を成り立たせているもの
「いのち」が向かっているところを科学、哲学、宗教だけでなく、さまざまな経験を通じて知り、生かされていることの意味を知る
【宣言5-1】
人間以外のいのちにも共感し環境問題を自分ごととして捉え行動を起こそう
※関連する提言
5-1-1. 若者の視点から自然との共生を探求し、世代や文化を超えた対話を通じて、持続可能な社会の実現に向けた具体的なアクションを共創しよう
5-1-2. グローバルな課題を身近な「食」を通じて考えよう。「食」は、気候変動や紛争など世界の問題とつながっています。食以外の課題についても、手を取り合って取り組もう
5-1-3. 遠くのいのち、次のいのちに想いをはせる力を育て、気候変動への対策に自分ごととして取り組もう
5-1-4. 未来の地球環境を守るため、共感によるパートナーシップ活動をひろげ、実現のためのプラットフォームを形成し、すべての人がいのちを大切にするアクションを選択できるようにしよう
【宣言5-2】
テクノロジーやゲームを活用し共感と対話の輪をひろげていのちのつながりを体感できる学びの場をひろげよう
※関連する提言
5-2-1. ゲームを通じた学びと対話で、「共通の目標がある世界」と「ない世界」の違いを実感し、誰もが未来を共創できるインクルーシブな社会を実現しよう
5-2-2. さまざまな社会課題をテーマにした「シリアスゲーム」で持続可能な未来をシミュレーションし、いのち輝く未来のために必要な視座を養い、未来を想像するコミュニケーションを通じて互いの共感力を高めよう
5-2-3. テクノロジーを活用することによって社会課題の現場とのつながりを生み、人びとの共感をはぐくむ活動を進めていこう
5-2-4. アバターを使って人間を肉体の制約から解き放ち、誰もが認め合い、つながり、ともに生きる社会を実現しよう
【宣言5-3】
いのちの豊かさを見つめ直し文化や共感、自然とのつながりを測る新しい価値のものさしをつくろう
※関連する提言
5-3-1. 人間も人工物も包みこむ地球のいのちの持続的な循環と再生のために、共生志向意欲が喚起される価値モノサシで、新たな豊かさに向かおう
5-3-2. GDP のような既存の指標の限界に挑み、社会の幸福に欠かせない感情的レジリエンスや文化的活力などの非物質的側面を捉える「統合繁栄指標( Integrated Flourishing Measures: IFMs)」を開発しよう
5-3-3. 企業活動によって社会を改善するためには、数値化されない価値こそ重要です。その価値を日本のさまざまな地域から再考し、再編集して世界へ発信していこう
5-3-4. どこの国や環境にいても、学ぶことや働くことで得られた知識・能力・信用が「見える」ようになり、正しく評価され、「好きで得意な道」を歩める世の中を実現しよう
5-3-5. 学術・研究コミュニティの強化、学際的・体系的な変革の推進、エビデンスに基づく指針の提供、そしてグローバルな協働の促進により、食料システムの改革、栄養改善、気候変動、健康課題への対応を図り、より健康で公正な未来を目指そう
5-3-6. 2050年の未来を見据え、科学をベースとしたマルチステークホルダーによる議論を始め、 SDGs 達成期限である2030年の先の目標設定に向けた機運を醸成し、行動しよう
【宣言5-4】
感性と知性を使っていのちの意味をさぐりながら共通善に向かってともに歩もう
※関連する提言
5-4-1「生命と地球の共進化」の歴史を継承し、「人類と地球の共進化」の段階へ。「人新世」Anthropocene を「人類による地球 OS 更新の世紀」と読み替えて、人類の本来の知的創造性を解き放とう
5-4-2. 科学の知と人びとの経験、スピリチュアリティ、哲学、宗教など、科学以外の知と科学の知を組み合わせることによって、何を大切にするかという基準にもとづく賢明な意思決定を行い、共感と結束と包摂を強め、すべての人のいのちが開花する社会を築こう
5-4-3. 社会課題の現場で積み上げられてきた知見や想いを、学術的な言葉も用いながら、「いのち」の視点に立ってとりまとめ、より多くの人が議論・共有できる形にしてひろめよう
5-4-4. 異なるままに、いのちといのちが響き合い、未来を編む共鳴の社会へ
5-4-5. 人間とは未来の共通善に向かって他者とともに価値を創造する動的主体です。考える前に感じ、異質に共感し、対話して跳ぶ発想と出会い、スクラム組んでやり抜く存在になろう
執筆協力者一覧
新井和宏(非営利株式会社eumo)
新井凛子(大阪大学)
荒金雅子(株式会社クオリア)
井口奈保(一般社団法人Give Space Urban Design)
池上清子(公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン)
石黒浩(大阪大学)
石坂典子(石坂産業株式会社)
泉征弥(株式会社コンティニュウム・ソーシャル)
磯博康(国立健康危機管理研究機構 グローバルヘルス政策研究センター)
伊藤武志(大阪大学)
稲場圭信(大阪大学)
乾昌志(JOY&JOIN)
今井紀明(認定特定非営利活動法人 D×P)
岩井睦雄(一般社団法人日本アスペン研究所)
氏家啓一(一般社団法人グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン)
歌丸和見(一般社団法人認知症予防活動コンソーシアム)
梅野星歩(株式会社梅鉢園)
宇山浩(大阪大学)
上須道徳(大阪大学)
大谷順子(大阪大学)
大原あかね(公益財団法人大原芸術財団)
岡部美香(大阪大学)
岡村充泰(株式会社ウエダ本社)
岡本俊一(伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 みらい研究所)
沖大幹(東京大学)
鬼丸昌也(認定特定非営利活動法人テラ・ルネッサンス)
折田朋美(独立行政法人国際協力機構 緒方貞子平和開発研究所)
樫原洋平(一般社団法人エッジソン・マネジメント協会)
門川良平(すなばコーポレーション株式会社)
蟹江憲史(慶應義塾大学)
狩野俊明(大阪府)
神吉輝夫(大阪大学)
菊川穣(一般社団法人エル・システマジャパン)
岸大介(株式会社LIFULL Agri Loop)
北辻卓也(公益財団法人地球環境センター)
木多道宏(大阪大学)
木山啓子(認定特定非営利活動法人ジェン)
熊谷晋一郎(東京大学)
後藤剛志(株式会社宮田運輸)
小沼大地(特定非営利活動法人クロスフィールズ)
坂口幸太(独立行政法人国際協力機構)
佐久間洋司(一般社団法人シェイプ・ニューワールド・イニシアティブ)
桜井肖典(一般社団法人リリース)
佐座槙苗(一般社団法人SWiTCH)
佐藤一朗(独立行政法人国際協力機構 緒方貞子平和開発研究所)
佐藤言(社会福祉法人ラルシュかなの家)
澤芳樹(一般財団法人未来医療推進機構)
宍戸幹央(一般社団法人Zen2.0)
島村優希(大阪大学)
下條真司(青森大学)
下田吉之(大阪大学)
下西英之(大阪大学)
下村委津子(認定特定非営利活動法人環境市民)
白藤大仁(株式会社リンクソシュール)
菅野拓(大阪公立大学)
杉田映理(大阪大学)
杉田美和(一般社団法人日本モンテッソーリケア協会)
鈴木大輔(株式会社アートローグ)
住田孝之(住友商事株式会社)
宋悟(特定非営利活動法人IKUNO・多文化ふらっと)
田岡秀明(株式会社ナイス)
高橋陽子(公益社団法人日本フィランソロピー協会)
孝藤右近(舞踊孝藤流)
高山千弘(ノックオンザドア株式会社)
竹村眞一(特定非営利活動法人Earth Literacy Program)
竹村優里佳(Yurica Design & Architecture)
谷裕介(ファッションプランナー)
土居亜希子(公益財団法人地球環境センター)
冨田一幸(大阪知的障害者雇用促進建物サービス事業協同組合(エル・チャレンジ))
中江川力也(株式会社ボクキチ)
中島幸志(特定非営利活動法人コモンビート)
中島さち子(株式会社steAm)
中間真一(株式会社ヒューマンルネッサンス研究所(オムロングループ))
西田千鶴(香川女子栄養大学大学院)
西田吉志(株式会社ナイス)
西村勇哉(特定非営利活動法人ミラツク)
二瓶直樹(国連開発計画駐日代表事務所)
沼丸晴彦(一般社団法人Art MICE)
野中郁次郎(故人)
野見山広明(株式会社カグヤ)
橋本さやか(一般社団法人Feel & Sense)
橋本昌彦(一般社団法人Feel & Sense)
林泰臣(ノックオンザドア株式会社)
ハジアリッチ秀子(国連開発計画駐日代表事務所)
東健二郎(一般社団法人コード・フォー・ジャパン)
平井大輝(認定特定非営利活動法人CLACK)
開(比嘉)梨香(株式会社カルティベイト)
平瀬錬司(サステナブル・ラボ株式会社)
平林景(一般社団法人日本福祉医療ファッション協会)
広井良典(京都大学)
藤井翔太(大阪大学)
富士榮尚寛(伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 みらい研究所)
降籏大介(大阪大学)
古谷由紀子(一般財団法人CSOネットワーク)
前川知子(ES Global Japan株式会社)
桝田千佳(関西外国語大学)
丸尾亮好(大阪知的障害者雇用促進建物サービス事業協同組合(エル・チャレンジ))
峯陽一(独立行政法人国際協力機構 緒方貞子平和開発研究所)
宮田裕章(慶應義塾大学)
宮田博文(株式会社宮田運輸)
村木真紀(認定特定非営利活動法人虹色ダイバーシティ)
米良はるか(READYFOR株式会社)
森勇介(大阪大学)
山川みやえ(大阪大学)
山口容平(大阪大学)
山崎琢磨(特定非営利活動法人アクセプト・インターナショナル)
山本ベバリー・アン(大阪大学)
山脇智志(キャスタリア株式会社)
湯浅誠(認定特定非営利活動法人全国こども食堂支援センター・むすびえ)
𠮷田憲司(国立民族学博物館 名誉教授)
若林秀樹(一般社団法人C&C Link)
渡邊剛(喜界島サンゴ礁科学研究所)
(以上、五十音順)
BRUNNER Eric(University College London)
BUDD Graham(The Faraday Institute for Science and Religion, Cambridge)
DAI Yanjun(Shanghai Jiao Tong University)
FANZO Jessica(Columbia University)
GIBBS Lisa(University of Melbourne)
HARRISON April(University of Melbourne)
HUMPHREYS Peta(Curtin Universtiy)
KPONDEHOU David(African Diaspora Network in Japan)
LAM Christie(Deakin University)
LI Jing(The University of Osaka)
MACDONALD Fiona(Victoria University)
MACDOUGALL Colin(Flinders University)
MARINKOVIC·CHAVEZ Katitza(University of Melbourne)
NEWNHAM Elizabeth(Curtin University)
NGUYEN Sunny(University of Melbourne)
PARRETT Cara(The Faraday Institute for Science and Religion, Cambridge)
RATHORE Kushagra(Curtin University)
ROBINSON Shelby(Curtin University)
THOMAS Zoe(Curtin University)
WIEBFORD Ness(Australian Red Cross)
YOUNGER David(David Younger Psychology)
ZWITTER Andrej(University of Groningen)
(以上、アルファベット順)
「いのち会議」の取組にご関心のある方は、
こちらからお問い合わせください。

