「いのち会議」とは、「いのち」とは何か、「輝く」とはどういうことか、「誰一人取り残さない」ために何をなすべきかを、あらゆる境を越えて考え、話し合い、それぞれが行動に移す場です。いのち会議 

活動状況|アクションパネル

2024年6月7日(金)、いのち会議アクションパネル 環境・生物多様性「地球のいのちを大切にするアクション」を開催しました!

2024年6月7日(金)、いのち会議アクションパネル 環境・生物多様性「地球のいのちを大切にするアクション」を開催しました。話題提供者の方々含め会場に15名、オンラインで36名が参加しました。以下に概要を報告します。

感じる場(VRシアター)での喜界島”体験”

はじめに、参加者は創る場に併設されている感じる場に移動し、喜界島(鹿児島県奄美群島)の海の中をVRシアターを通じ体験しました。渡邊先生からの水中ボーリング等のサンゴ研究の内容や喜界島の現状についてお話しをいただきました。

渡邊剛(北海道大学)・山崎敦子(名古屋大学)「サンゴから学ぶヒトと自然の関係」

✓サンゴの産卵の動画:人間の社会やいのち会議とサンゴの類似性と戦略の違い
✓サンゴについて30年間都会・島など様々な場所で研究
✓地球環境と社会変動:在来知から時空を越える共通価値を見つけ未来集合知に
 ⇒新たな(モデル)が必要、サンゴの戦略とヒトの戦略を比較しつつ考える
✓喜界島:サンゴ礁研究の聖地、文化的多様性、ポスト資本主義的環境
✓サンゴと学際的な学び:多様な研究者・アーティストが集い超学際的アプローチ
✓喜界島サンゴ礁科学研究所:科学とアートの融合、大人もこどもも巻き込んで100年後に残すための場、起業も(Attoll)
✓サンゴとは何か:動物・植物・鉱物の性質を併せ持つ環境によって形を変える群体
→死後もサンゴ礁として地形を作り、環境・地形・生物の多様性を産み出す
✓サンゴ礁の形成:5億年前から形成、炭素の貯蓄・循環に大きな役割を果たす
→人もサンゴも同じ循環モデル(環境・エネルギー・栄養)の中で捉える
→どんな地球に暮らしていきたいか、地球環境を再現するヒントとしてのサンゴ

島田広之(大阪大学)隠岐の島における地域演習(PBL) ~地球のいのちを大切にするアクション~

✓SSIのプロジェクトで隠岐での演習授業開発・設計・現地調整を担当
✓活動地域としての隠岐の魅力:離島性、豊富な授業テーマの種、4島の多様性
⇔教育効果と地域貢献のアンビバレンスの調整、いかに地域を知ってもらえるか
✓島流し・地方留学の歴史:豊かな自然・動物、独自の伝統・文化の発展
✓教育プログラムから持続的な地域の活動へ:学生が長期/継続的に地域に関わる
→地域を好きになってもらえる、将来移住が選択肢に入ってくるような授業
→大学生による地域課題解決プログラムなどを通じて、関係人口拡大の試み、興味次第で誰でも参加出来る仕組みづくりを自治体と一緒に進める

鳥井要佑(東京大学・GX総合研究所)「Nature Positiveへの向き合い方を考える」

✓ネイチャーポジティブとは:生物多様性(生態系/種/遺伝子の多様性)の損失の加速的進行に対して、企業の持続可能性にリスクを与える(特に生態系)
→ESG投資の評価も含めて、ビジネスチャンスの新規発掘と多様性保全の繋がり
✓TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)の進捗状況:日本企業80社を含めて徐々に開示が進んでおり、ビジネスチャンスの先行着手・PRのチャンス
✓ネイチャーポジティブの取組:特にサプライチェーンの上流と生態系の関係を明らかにして、優先的に取り組むターゲットを選定すること
✓取組① GX総研と宮崎大学の連携:起業と大学と自治体の課題・成果の出し方・ターゲットのズレが起因となって上手く連携が出来ない事例を解決
→環境課題(バイオマス利用など)・経営課題(農業DXの遅れ・若者流出)の整理・アプローチをアクター間で調整
✓取組② ネイチャーポジティブMAP:目的・手段の両方が見えずらい現状に対して、自然現象のマッピング・因果関係可視化(例:なぜ土壌に炭をまくのか、どういう影響があるのか、暮らしにどのような影響があるのか、課題の関係性を紐付け、実際の取組事例を可視化)→自分ごと化、手段の明確化
✓取組③ 熱海の森協議会:森林がもつ多面的機能と、十分に管理・経営されずに多面的機能が減退し、災害発生も課題となる日本の山
→調査事業とともに森林管理を行える体制の確立を補助
✓その他にも未利用バイオマス活用、聖霊プロジェクト(生物多様性×文化多様性)