「いのち会議」とは、「いのち」とは何か、「輝く」とはどういうことか、「誰一人取り残さない」ために何をなすべきかを、あらゆる境を越えて考え、話し合い、それぞれが行動に移す場です。いのち会議 

活動状況|アクションパネル

【開催報告】2024年7月4日(木)、いのち会議アクションパネル 環境・生物多様性保全「地球のいのちを大切にするアクション」を開催しました!

2024年7月4日(木)、いのち会議アクションパネル 環境・生物多様性保全「地球のいのちを大切にするアクション」を開催しました。話題提供者の方々含め会場に13名、オンラインで15名が参加しました。以下に概要を報告します。

堂目 卓生(大阪大学総長補佐、「いのち会議」事業実行委員会副委員長) 開会挨拶:「いのち会議」について

✓いのち会議・宣言の概要説明。「Capable」と「Vulnerable」の共助社会像の提示
✓APの開催状況:毎週木曜日に開催。声を集めていのち宣言に

岩村 義雄(みんなで「死」を考える会 会長)「動物への謝罪と責任」

✓阪神大震災以降に無給牧師、東北震災ボランティアとして14年活動するなかで、福祉に無縁な人々に寄りそってきた(ケア)
✓公害・重病患者やウクライナ・イスラエル・アフリカなどのジェノサイドを黙殺する社会構造≒人間中心主義の「生きる権利」を「動物」の権利へと転換する21世紀を目指す
✓30年の現場での活動を通じて目撃してきた差別,抑圧,貧困に対する無知・無関心・無縁
✓イルカ:海神(わたつみのかみ)への敬慕と商業の対象(日本)、高度な言語を操るNon-Human Person(世界)の認識
→「人間=思考するもの」とする近代哲学によるヒトと動物(イルカ)の差異の未熟な思惟
→イルカの社会的動物としての本質に近づく研究の進展
✓クジラ目(non-human person)の捕獲・飼育禁止の世界的潮流⇔捕獲の問題にくわえて、飼育の面でも日本におけるイルカショーの継続などの逆行
✓「人格=意識」(ロック):嬰児、認知症患者、精神障がい者の権利が排斥される危機(←優生思想、津久井やまゆり園での知的障がい者殺害事件)と動物虐待は同根
⇔「自然界の命」(スピノザ)、動物の意識・感情・認知能力の承認(世界的傾向)、non-human hominidsとしてのイルカ、大型類人猿認定(司法)

石崎 雄一郎(ウータン・森と生活を考える会 (HUTAN Group)事務局長)「ボルネオ島の熱帯林破壊と私たちの消費生活とのつながり」

✓環境問題と自分の関係が分からないという声→「自然はあなたであり、あなたが自然である。自然を破壊することは、あなた自身を破壊することだ」
✓ウータン・森と生活を考える会:熱帯林の保護、インドネシア・マレーシア・ブルネイにまたがるボルネオ島の森での体験(虫や森の声)という発表者の原点
✓地表の約6%の熱帯林に80%以上の生物種が棲む熱帯林の生物多様性、生物同士が相互に密接に関係しあっていることが生物多様性の重要なポイント
✓数万年~数億年かけて作られてきた生態系⇔人間はその土台となる空気・水・土を数百年で使い果たし、他のいきものとの繋がりを断とうとしている(環境問題)
✓アブラヤシプランテーション:生物の声が聞こえないどこまでも変わらない風景
←生産側(労働力の確保、外貨獲得手段)だけでなく、様々な製品に使われるパーム油の消費者である自分も熱帯林の破壊者と気付く
✓現代の生産者・消費者によるコスト(安く製品を買う、そのためのプランテーション)を支払うのは途上国や次世代の人々や他の生物→フェア?サステナブル?
✓熱帯林の問題:鉱物紛争や子ども兵、土地収奪、野生動物の絶滅などグローバルサウスや次世代、他の生物への差別の構造
✓工場畜産と熱帯林:哺乳類の6割を占める家畜。放牧地確保のための森林伐採、地球上の穀物の3-4割をエサとして消費→飢餓、温室効果ガスの要因
✓プラネタリー・バウンダリー:熱帯林関連問題が示している地球環境の限界
✓消費者としてできること:環境・人権配慮の基準を定めるRSPO認証制度を購入することで熱帯林破壊を食い止める期待がある⇔一方で、①プランテーション内に生態系は無い②プランテーションは植民地主義の産物であることから、パーム油の存在自体が持続可能性に反しているという意見もある
→ライフスタイルの変化:有機農法・地産地消、つくり・分かち合う社会の構築へ、一人ではなく市民活動/NGOへの参加を通じた連帯、現地での活動
→平和な世界の構築には環境・地域・世代差別(格差)をなくすことが不可欠