活動状況|アクションパネル
【開催報告】2023年6月19日(月)、「いのち会議市民部門 アクションパネル:教育 キックオフ」を開催しました。
<日時>
2023年6月19日(月) 14:00~16:00
<場所>
ハイブリッド(大阪大学中之島センターいのち共感ひろば+Zoom)
<プログラム>
挨拶
堂目卓生 大阪大学SSI長 「いのち会議の開始について」
話題提供
・伊藤武志 大阪大学SSI教授 「いのち会議市民部門・アクションパネル(AP)5について」
・岡部美香 大阪大学人間科学研究科 教授 「3月開催シンポと今後について」
・桝田千佳 大阪府教育庁市町村教育室長 「わくわく・どきどき SDGs ジュニアプロジェクトについて」
・徳永達志 ロート製薬株式会社広報・CSV推進部、2025大阪・関西万博プロジェクト、未来社会デザイン室(ロートこどもみらい財団)
「企業が学校に関わる取組について」
・田井東一宏 産経新聞大阪本社「産経新聞の子供教育の取り組み」
・小野寺弘幸KCJ GROUP 株式会社経営企画部 「キッザニアのSDGs取組」
・岡崎貴徳 (公社)2025年日本国際博覧会協会 「ジュニアEXPO教育プログラム」
・関口美樹 海外子女教育振興財団 「海外で学ぶ子どもたちへの支援」
・菊川穣 一般社団法人エル・システマジャパン 代表理事 「日本におけるエルシステマ」
・東健二郎 NPO法人CodeforOSAKA「市民エンゲージメントツールを活用した「いのち会議」市民部門の取り組み」
※登壇者の名前をクリックすると動画をご覧いただけます。
SSI車座の会報告
6月19日(月)、車座の会「いのち会議市民部門 アクションパネル5(教育)キックオフ」を大阪大学中之島センター「いのち共感ひろば」とオンラインのハイブリッドで開催しました。SSI長の堂目卓生教授や話題提供者の方々含め会場には30名、オンラインには40名が集まりました。以下に、概要を報告します。
岡部美香 大阪大学人間科学研究科 教授 「3月開催シンポと今後について」
✔岡部先生のプロジェクト紹介:子どもの社会参加を肝とする教育の開発、助けられる側におかれてきた子どもが(間違ってもいいので)発言・行動しながら大人と一緒に行動・学習する。
✔その実践の場としての今年のSSIシンポジウムでは学生の取組発表の場として開催。発表の様子をYoutubeで紹介(詳細はこちら)。今年度以降も(規模は小さくなるかもしれないが)子ども達の体験の場、紹介の場として継続していきたい。企業とも協力して進めていきたい。
桝田千佳 大阪府教育庁市町村教育室長 「わくわく・どきどき SDGs ジュニアプロジェクトについて」
✔ジュニアEXPO用の冊子の作成をきっかけにSSI、車座の会に関わるようになった。先ほど岡部先生ご紹介のSSIシンポジウムにわくわく・どきどき SDGs ジュニアプロジェクトで金賞をとった上小阪中が参加した。
✔こどもたちを取り巻く課題・問題について:子ども達が自信で考え、自ら展望を考え、切り拓く力を身につけていく。その上でこども・大人含めて様々な方々と交流しながらブラッシュアップしていきたい。そのプロセスに企業の方にも関わってもらいたい。
✔教育サイドからの課題として「社会に開かれた教育」:自分たちの学びが未来社会について考えることだと実感してもらえることが重要。
✔多様性の考え方:一種の閉鎖空間である学校という枠を越えて、多様な主体との共働を進めたい。
→これらの実感をより強めるためにも企業との連携を模索。企業と子どものアイデアミーティングとプレゼン大会の審査・事前指導(4年開催、29企業・161校が参画中)。
⇒アンケートからは教育的な効果も出てきている(将来の夢・展望)。
徳永達志 ロート製薬株式会社広報・CSV推進部、2025大阪・関西万博プロジェクト、未来社会デザイン室(ロートこどもみらい財団) 「企業が学校に関わる取組について」
✔(企業が)学校といっしょにこどもたちがチャレンジできる機会をつくる。子ども達のイメージする力を伸ばすために、企業の活動についてのイメージの共有も大事。
✔CSR的位置づけの活動から企業・社員にとっての学び・成長の機会と捉えてより主体的に取り組む必要がある(社員教育・エンゲージメント強化)
✔10社とともに取組中。2ヶ月弱の期間でPBL(企業の戦略・課題についてこども達と一緒に検討する)、一緒に参加してもいいよという企業もぜひ!
田井東一宏 産経新聞大阪本社「産経新聞の子供教育の取り組み」
✔新聞の危機:6年前に社会部のデスクから社会事業の企画担当に。探求学習(正解のない問題の探求)が重視されるなかで、初等・中等教育の教師があまり得意ではない分野なので、新聞記者の経験を活かして教育に関与するようになった。
✔企業が教育に関わる難しさ:単なるCSRを超えて、学生と一緒に活動する際には企業にとってのより根本的なメリットが必要。その際に、経験の薄い若手(2年目くらい)が担当し、プロジェクトを通じてこどもと一緒に成長することを促したい。
✔会社の悩み(人事・教育)とこどもの教育を連動させることで、企業の成長と教育の目的を合致させることでより本気で取り組める。
小野寺弘幸KCJ GROUP 株式会社経営企画部 「キッザニアのSDGs取組」
✔こどもが職業体験できるキッザニア。100社以上の企業との連携している。
✔キッザニアのSDGs宣言:こどもが主役のSDGs。企業・学校と連携してクイズ式のアクションラリーでこどもが取り組みたい課題を選んでもらい、アクティビティとして体験、こどもが行動を起こせる場を用意している。
→その際にこどもに示し、考えるのは解決作そのものではなく何が課題であるかということ。
✔サーキュラーフード開発企業とのラリーの事例:賛否両論も、課題について検討中。
✔学校と連携して事前・体験・事後学習プログラムを展開、350校で既に実施済み。
✔コスモポリタンキャンパス。対話型のワークショップとして2018年〜実施。第一線で活躍する大人と一緒に気候変動やコロナなどの問題について議論、YouTube動画の作成など。今年は万博を見据えてパビリオンについて考える企画を実施予定。
✔連携活動の拡大に向けてパートナー企業6社、阪大、大阪府と一緒に万博と連携。こどもの声を世界に向けて発信していく。
岡崎貴徳 (公社)2025年日本国際博覧会協会 「ジュニアEXPO教育プログラム」
✔ジュニアEXPO教育プログラムについて。教材のSSI・大阪府教育庁との共同開発。万博に向けた小中学生のアイデア発信に向けて。今年は高校へも派生しつつある。
✔過去の教育プログラムについて。2020年度は14校が参加。万博についての授業とアイデアミーティングを実施し、ポスター作り(小学校)と発表(中学校)を実施した。アンケートから教育効果(桝田)に加えて万博への期待の高まりを感じる。
✔2021年度には大阪から関西圏へ、2022年度は全国へ拡大した。参加企業も増加。2023年度からは海外への展開、オンラインでのやりとりも含めた交流の活発化を検討・実施中。
⇒海外へと展開しジュニアEXPOの取組自体をレガシー化していければ。
関口美樹 海外子女教育振興財団 「海外で学ぶ子どもたちへの支援」
✔会議赴任中の日本人家庭の教育相談事業や教育に関する海外情報提供、帰国子女に対する日本国内の学校説明会を行っている。
✔在学教育施設への支援(教職員雇用支援や安全対策など)、Inclusion教育など各種特色のあるプロジェクトの開発・提供を行っている。
✔JOES Davos Nextとしてこどもたちが専門家と一緒に考える機会を提供している。ジュニアEXPOにも在外教育施設に在籍する子どもが参加出来る様に取組を実施している。
菊川穣 一般社団法人エル・システマジャパン 代表理事 「日本におけるエルシステマ」
✔エル・システマとは:ベネズエラ発祥の経済状況に関わらず誰でも参加できる音楽教育の提供している。合奏を重視。
✔世界中でInspiredプログラムを実施(≠フランチャイズ):地域独自の文脈・制度の下で様々な社会課題に対応した内容で実施している(資金形体も国によって様々)。
✔日本では東日本大震災をきっかけに被災地で始まる:教え合い、学び合いを通じた一体感、チームワークの涵養、異なる文化・世界との繋がり。誰も取り残されず、かつ自由に活動する音楽活動。子ども⇒親⇒地域。
⇒日本独自の課題(特に部活動:学校から地域への委譲傾向の問題点など)。こどもを中心に「このまちから世界へ繋がる」。
東健二郎 NPO法人CodeforOSAKA「市民エンゲージメントツールを活用した「いのち会議」市民部門の取り組み」
✔Decidim:バルセロナ発祥の市民参加型デジタルプラットフォーム。いのち会議のページの紹介(現在まだ非公開)今日の活動についても概要、個々の報告についてプロジェクトとして紹介・議論出来るように構造化。
✔いのち会議の市民部門でもプロセスの管理に利用し、提言の作成に活かす。その他にも共創ボイスの収集にも活用予定。そして今日に関係する話題としては学校別の活動のデジタル記録にも活用可能である(記録のデジタル化+共通のプラットフォーム化により交流など横展開の推進)。
✔エンゲージメントのプロセス自体を管理することでよりSDGsの精神を体現した活動の展開を手助けする。欧州では自治会などコミュニティの情報共有の場として活用されており、本会のようなコミュニティにとっても、地域や商店街などでも展開可能。例えば、加古川市が若者ユーザーを巻き込んで授業を通した市民ワークショップを展開した。
✔市民の声を集約・可視化することで潜在的な問題を顕在化させ取組の推進加速を図る。