「いのち会議」とは、「いのち」とは何か、「輝く」とはどういうことか、「誰一人取り残さない」ために何をなすべきかを、あらゆる境を越えて考え、話し合い、それぞれが行動に移す場です。いのち会議 

活動状況|アクションパネル

【開催報告】2024年10月3日(木)、いのち会議 平和・人権アクションパネル「『憎しみの連鎖をどうほどくか?』日本発の平和構築イニシアチブの軌跡と展望〜NPO法人アクセプト・インターナショナルの取組に学ぶ~」を開催しました!

2024年10月3日(木)、いのち会議 平和・人権アクションパネル「『憎しみの連鎖をどうほどくか?』日本発の平和構築イニシアチブの軌跡と展望〜NPO法人アクセプト・インターナショナルの取組に学ぶ~」を開催しました。話題提供者の方々含め会場に14名、オンラインで28名が参加しました。以下に概要を報告します。

開会挨拶 堂目 卓生(大阪大学総長補佐、「いのち会議」事業実行委員会副委員長):SSIから「いのち会議」「いのち宣言」へ

✓ SSIの活動といのちの理念:vulnerable「助けられるいのち」中心の共助社会
✓ いのち会議・いのち宣言:万博のソフトレガシーとして世界へ発信

山﨑琢磨(NPO法人アクセプト・インターナショナル コミュニケーション局長):「憎しみの連鎖をどうほどくか?」日本発の平和構築イニシアチブの軌跡と展望

✓ アクセプト・インターナショナル:テロリスト・ギャングなど若者が武器を置き、平和の担い手として社会に復帰することを支援、「憎しみの連鎖」をほどく
→最高セキュリティ刑務所、戦争捕虜収容所、リハビリテーション施設など
✓ 創設の経緯:2011年のソマリアの大飢饉⇔テロ組織の存在もあり支援が難しい
→危険度の高さに周囲から懸念を受けるもソマリア支援組織を立ち上げ
→早稲田への留学生を巻き込み、学生だから出来る支援(日本への留学斡旋など)
✓ 方向転換:ギャングの若者と対話・寄り添い、問題解決へ→ギャング解散を決意
→問題の根源にあるテロ・武力紛争の解決を専門とするNPO法人化(2017年)
*資金調達が困難で、他の国際課題に比べてテロ・武力紛争に取り組む組織不足
✓ 対テロ戦争の失敗:軍事的制圧では一般市民の犠牲は減らず、憎しみの連鎖へ
→テロ・紛争に関わる当事者を取り残さない、テロに関与する背景の把握・対策
✓ 憎しみの連鎖をほどくアプローチ:テロに関わる人々との対話・組織加入の防止より社会復帰中心の支援:リーフレット、ラジオ、電話相談窓口などを利用
✓ プログラム:職業訓練だけでなく、ケアカウンセリング、基礎教育、宗教再教育、社会との対話など幅広く実施。日本人(平和な国・第三者)の強みを活かし、ひとりの「人間」として向き合う(現地語・刑務所飯・防弾チョッキなしで対話など)
✓ 「答えの押しつけ」ではなく、過去の経緯や主義・主張を「受け止める」対話を通じた相互理解を促進し、考え方の転換・社会との和解へと少しずつ積み上げる
✓ 今後の展望:10周年を期に、2031年までに新たな国際規範の制定を目標に
→現在取り残されている18歳以上の若者への支援プロトコルを日本から創る
✓ グローバルTFの始動:元テロ・武装勢力に関わっていたが平和の担い手として復帰した各国の若者たちと、国際アドボカシー・リサーチ・提言作成などを実施

ディスカッション

✓ どのような立場の人(共感できなさそうな他者)が相手でも「ひとりの人間として受け止めた」上で、相手がどのような考え、立場にあるのかまず理解することを第一の目標として、ボディーランゲージや現地の風習(喫煙や合法の草など)も含めて対話の出来る場を構築することが重要
✓ カウンセリングや対話のノウハウなどは高度な知識に基づいている様に感じたが、スタッフはどう対応しているのか?
→なかなか全てのスタッフが時間をとれていない面もあるが、アドバイザーとして専門家に入ってもらったり、学んだスタッフが日本・現地両方のスタッフに還元しつつ、テクニカルな事だけでなく現地での試行錯誤を通じて調整することを重視している
✓ 現状は日本人としての強みの一つに直接的な利害関係者ではない第三者としての関与を強みにしているが、利害関係がある地域での活動する際はどうか?
→現在インドネシアでも活動しており、そこでは大戦時代の負の記憶の話もでることもある。一方で戦後に平和を構築してきた歴史や伝統的な文化(和を尊ぶなど国民性にくわえて、アニメや車など現代文化も含めて)を変に卑下することなく活かしていく方法・発想を模索していくのが一つの可能性か
✓ 外からみると「無謀な挑戦」、止めようと思った事も多々あったと思うが、それでも挑戦を続けようとしてきた根本にあるものは何か?
→はっきりとは分からない部分もあるが、反骨精神も含めて関わっている人の性格がある。また、日本・現地両方で関わる人が増えてくる中で、運営の責任も比例して大きくなってくる中で、「今止めることはできない」といういい意味でのプレッシャーや関係性に支えられながら続けられているか