「いのち会議」とは、「いのち」とは何か、「輝く」とはどういうことか、「誰一人取り残さない」ために何をなすべきかを、あらゆる境を越えて考え、話し合い、それぞれが行動に移す場です。いのち会議 

活動状況|アクションパネル

【開催報告】 2025年1月30日(木)いのち会議 経済・雇用・貧困アクションパネル 「住友化学:住友の事業精神の実践 」を開催しました!

1/30(木)に、いのち会議 経済・雇用・貧困アクションパネル 「住友化学:住友の事業精神の実践 」をS大阪大学中之島センターいのち共感ひろばにて開催いたしました。

今回は、福田 加奈子さま(住友化学㈱ 常務執行役員 サステナビリティ推進部 担当サステナビリティ推進部長)をお招きして、「住友化学:住友の事業精神の実践 」について、お話しいただきました。

開会挨拶 堂目 卓生(大阪大学総長補佐、「いのち会議」事業実行委員会副委員長)

堂目先生からはSSIの活動といのちの理念についてお話しいただきました。いのち会議・いのち宣言の活動を通じて「いのちを大切にする社会」を世界に発信していきます。

話題提供:福田加奈子(住友化学㈱ 常務執行役員 サステナビリティ推進部 担当)「住友の事業精神の実践:住友化学グループの事例」

 福田氏からは、「住友の事業精神の実践:住友化学グループの事例」と題し、ご講演いただきました。 
 福田氏は住友化学に入社し、事業部を経てCSR推進部(現サステナビリティ推進部)に所属しています。欧州での経験を通じ、化学会社の社会的責任について考え、取り組んできました。住友化学の経営理念は、技術を基盤とした価値の創造と社会貢献にあり、社会課題をイノベーティブな技術で解決することを目指しています。
 住友の歴史は、初代住友政友による事業精神の確立や、蘇我理右衛門の技術革新に遡ります。別子銅山の開発では、環境問題への対応を含めた長期的な視野が求められました。初代総理事の廣瀬宰平は近代化と合理化を進め、企業理念を成文化し、第2代総理事の伊庭貞剛は煙害対策として植林に尽力しました。さらに、第3代総理事の鈴木馬左也は硫化鉱を利用した肥料生産を実現し、環境対策と食糧増産の両立を図りました。
 戦間期には肥料工業から化学工業へ発展し、総合化学メーカーとして成長しました。現在は、環境再生型農業やバイオラショナル農薬の開発を通じ、持続可能な食料供給に貢献しています。また、安全・環境・健康・品質を重視し、1980年代には安全性研究所を設立しました。
 サステナビリティ推進では、「自利利他 公私一如」を基本に、経済価値と社会価値の両立を図ります。カーボンニュートラル実現のため、自社のGHG排出削減と世界的排出削減の両輪で取り組み、Sumika Sustainable Solutionsを通じて企業の排出量削減を可視化しています。炭素資源循環では、CO2をメタノールに変換する技術やエタノール由来のポリオレフィン開発を進め、環境価値の創造に貢献します。
 さらに、生物多様性保全やプラスチック資源循環にも取り組み、SDGsを経営の指針としています。技術革新と市場創造を通じて社会変革を実現し、持続可能な未来を目指しています。

ディスカッション

 ディスカッションの様子の一部です。住友化学のサステナビリティ事業推進部は約10人の小規模な組織ですが、常に笑いが絶えず、挑戦しやすい雰囲気を大切にしているそうです。楽しみながらも高い目標に挑み、達成の喜びを大きくすることを目指しています。社内では「自利」が優先されがちですが、議論を重ねることで企業の変革が進んでいると実感しています。SDGsの課題解決に関しては、目標同士の関連性を重視しつつ、新たな「18番目のゴール」を見出し、実際に行動へ移せるかが重要だと考えているとのことです。