「いのち会議」とは、「いのち」とは何か、「輝く」とはどういうことか、「誰一人取り残さない」ために何をなすべきかを、あらゆる境を越えて考え、話し合い、それぞれが行動に移す場です。いのち会議 

いのち会議 | いのち宣言

2025年4月26日、「いのち会議 大阪・関西万博会場キックオフ」イベントが大阪・関西万博会場にて開催され、その場で「いのち宣言」の暫定縮刷版が発表されました。

この暫定縮刷版は、いのち会議の活動趣旨に賛同してくださった多くの方々から寄せられた提言の一部をもとに、ドラフト版として取りまとめたものです。

今後、さらに多くの声を集め、2025年10月11日に開催される「いのち宣言フェスティバル」にて、100を超える提言を集約した完成版の「いのち宣言」を発表する予定です。

<<「いのち宣言」暫定縮刷版はこちら>>



なお、宣言に関連する提言は以下のリンクよりご覧いただけます。ぜひご参照ください。

「いのち宣言」

私たちに与えられた かけがえのない このいのち
はかなくて 傷つきやすく 時のなかで 変わっていく
どんないのちも 輝きを秘め
すべてのいのちは つながっている
ひとつ ひとつの いのちを
まもり はぐくみ つないでいこう
秘めた輝きを ときはなとう
生きている 意味をしろう
いのちのみなもとに かえろう

いのちを「かんじる」

人や自然と出会い 、それぞれの「いのち」を感じる
「いのち」のはかなさや傷つきやすさを感じ、
そうであるがゆえの「いのち」の尊さや喜び、秘められた輝きや価値を感じる

【宣言1-1】
アートを通じていのちを感じ、誰もが持つ慈しむ心を引きだそう


※関連する提言
・みんなでつくる音楽でいのちをはぐくみ、生まれ育った環境や障害の有無にしばられることなく、誰もが自由で創造的で平和な共生社会を実現する。
・芸術作品が時代を超えて奏でる「いのちの声」にみんなが耳をそばだて、いのちの理解を深める場を構築しよう
・いのちをテーマにしたアートを通じて、色々な人がつながり、「いのちの源」に立ち返って社会課題に向き合う機会を創り、世界中に届けよう。
 
【宣言1-2】
苦境や逆境の中にいる人びとの痛みを感じ、

共感の輪を広げて「誰一人取り残されない」社会をつくろう

※関連する提言
・知的障がいのある人と友になり、すべての人が本当の自分でいることができる世界を創ろう
・多様性を尊重することと、「ぼっち」の人を社会に優しく包み込むことは、あまり相性がよくありません。だからオープンな気持ちで、みんなでルールを作っていきましょう。
・障害の有無、性別、年齢、国籍、全ての垣根を超えて、誰もがオシャレを楽しめる世界の実現に向け行動しよう

【宣言1-3】
さまざまな文化や精神活動を通じて、いのちを感じる力を育み、いのちのみなもとを感じよう


※関連する提言
・企業活動によって社会を改善するためには、数値化されない価値こそが重要です。その価値を日本のさまざまな地域から再考し、再編集して世界へ発信していこう
・現代社会で「いのち」を感じる力を育むために、禅とマインドフルネスの実践の場を広げ、国際的なカンファレンスの実施や教育、研究、地域連携を推進しよう。

いのちを「まもる」

さまざまな脅威から「いのち」をまもる
特に傷ついている「いのち」、弱められている「いのち」に向き合い
寄り添い、手を差し伸べる

【宣言2-1】
いのちの尊厳に立ち返り、憎しみの連鎖を解消することによって平和な社会を築こう


※関連する提言
・誰もが大切にされ、安心して平和に生きられる世界をつくるために、「いのち」の尊厳に立ち戻り、世界で起きていることを知り、行動しよう。
・世界で続く「憎しみの連鎖」をほどくために、紛争による被害者への支援に加えて、武器を取ってしまった若者たちへのエンパワーメントを拡充しよう。

【宣言2-2】
市民が互いに信頼できる仕組みを構築し、誰もが自由に意見を表明し、活動できる社会をつくろう


※関連する提言
・オープンで民主的な社会の基盤である、市民社会の自由な言論・活動のための社会空間を守ります。
・現実でもネットでもお互いに信頼しあえる社会をつくろう。そのためになりすましの防止と安全なコミュニケーション実現を支えるデジタル技術を活用しよう

【宣言2-3】
平時から災害時を想定した防災の仕組みを整えよう


※関連する提言
・災害に特別に備えることだけでなく、平時の法制度に災害時のことをあらかじめ規定することで、「フェーズフリーな法制度」に変えよう。

【宣言2-4】
資源リサイクルやエネルギー循環のしくみを確立し、地球の環境を守ろう


※関連する提言
・ごみゼロは地球を救う。いのちをまもるための持続可能な世界への仕組みづくりが必要、そのためには地球人としての共感が不可欠。身近なごみ削減の成功は大きなヒント。
・プラスチックを、使用後もごみになることなく再びプラスチックになるような繰り返しリサイクルできる製品にし、資源を守り循環させる社会を作ろう
・みんなの『いのちの水』をみんなのためにみんなで守ろう
・「いのち」の源である窒素の良い循環が、健康な土や水を、元気な草や牛を、おいしい牛乳をつくる。「うんち」を「技術」で「より良く循環」させ、地球の窒素問題に対応しよう。

【宣言2-5】
デジタルテクノロジーを活用し、個人や家族に寄り添ったいのちのケアを実現しよう


※関連する提言
・治療方法が見つかっていない病気で苦しむ人たちの想いと声を聞いて共に考える仕組みづくりをしよう。
・医療と福祉のデータを統合し、AIなどを活用することによって、一人一人の生活や考え方にあったケアと予防を実現しよう
・科学技術を活用して個々の健康管理と多様性の尊重を推進し、すべての人が「いのち」をはぐくみ、かんじる未来を実現しよう
・Human Healthcareの視点に立って、患者や障がいのある人の生き様や憂慮に共感し、それぞれに受け与えられた「いのち」の可能性を実現し、その人らしい人生を「生ききること」を支え合おう
・心理学的アプローチを活用してトラウマの解消と潜在能力の活性化を推進し、人間が本来持っている潜在能力に気づき、イノベーションを創出しよう。

いのちを「はぐくむ」

多様な「いのち」の秘めた力を見いだし「善く生きる」ために活かす
社会のしくみを整え、ひとりひとりの潜在能力を伸ばす
自然の恩みを持続可能な形で受ける

【宣言3-1】
教育を通じて貧困の連鎖を断ち、差別や格差を解消することによって、すべての人が安全を享受できるようにしよう

※関連する提言
・すべての人が安全に安心して暮らせる世界を作るため、そして貧困の連鎖を断ち切るため、すべての人、とりわけ女性が教育を受けられるようにしよう。

【宣言3-2】
こどもや若者が自由に思いや意見を表明し、意思決定に関わることのできる社会にしよう


※関連する提言
・子どもの意見が尊重され、子どもが、子どもどうしで、あるいは大人とともに民主的な対話ができる社会を実現しよう。そのような社会を担う次世代の大人を育てよう。
・高校生が大学生とともに、SDGsを主題とし、正解があることを自明の前提とせずに、他者と議論しながら自分の「問いを立て」、自分の言葉で社会に向けて未来への提言をできるようにします。
・子どもたちが自分と共に他者のいのちを大切にし、守るための具体的な行動を起こせる人になるよう、自分自身と社会の未来に展望が持てる教育活動を学校現場に広げよう
・若者の視点から自然との共生を探求し、世代や文化を超えた対話を通じて、持続可能な社会の実現に向けた具体的なアクションを共創しよう。
・こどもたちの純粋な思いに触れることで優しさが内発的に湧きあがることを知り、誰もが持つ良心を制限なく発揮できる世の中でそれぞれのいのちを育み、生かし合おう。

【宣言3-3】
市民目線で情報を共有し消費を通じて社会を変革しよう


※関連する提言
・「買い物は投票」。未来の幸せにつながる「選択」が、誰でもいつでもできるよう、市民目線のわかりやすい情報を提供し、ライフスタイルと社会の仕組みを変えていきます。

【宣言3-4】
住民間の対話と交流を促進する公共政策や、ソーシャルビジネスを通じて、地域社会の未来を切り拓こう


※関連する提言
・公共図書館と地元の歴史的スペースが連携し、地域の物語や体験をデジタルアーカイブで保存・共有することによって、地域社会における多世代間の対話と結びつきを深めよう。
・社会をささえるだけでなく、社会によって支えられるソーシャルビジネスの普及によって、共感に支えられた未来を実現しよう
・多様な世代が生き生きと暮らせるミクストコミュニティづくりにより、公営住宅が集積する地域で高齢者や低所属者が孤立しないようにしよう。
・株式制度という、資本と労働の価値分配の仕組みを超えて、人々とコミュニティが生み出す価値の新しいガバナンス社会を始めよう。

いのちを「つなぐ」

様々な差別や偏見 、分断を乗り越え 、敵意のない世界を実現する
自然と共生し、全体がひとつの大きな「いのち」であることに気づく
過去、現在、未来へと「いのち」をつなぎ、大きな「いのち」を持続させる

【宣言4-1】
いのちの視点に立ち、国・民族・人種・世代などによる対立や、分断を乗り越える創造的対話を促進しよう


※関連する提言
・対立・分断を乗り越える「創造的対話」を設計し、それを推進していくための人や組織を育てよう。 – いのち会議

【宣言4-2】
ジェンダーを超えて人びとがつながり、学び合い、ジェンダー平等に基づく社会を構築しよう


※関連する提言
・ジェンダー平等の考え方を、政策やシステムに取り入れあらゆる分野に浸透させ、女性達が相互につながり、学びあい、ジェンダー平等に基づいた持続可能な社会の新しいカタチを実現しよう。
・ジェンダー平等を実現するための一歩として、月経(生理)について「知る・支える」を実行しよう。

【宣言4-3】
人々が自由に集い、それぞれのいのちが輝く「居場所」を作ろう


※関連する提言
・こどもや若者を中心に、社会に生きる一人ひとりが社会のかけがえのない一員として大切にされ、社会の中で「居場所と出番」を持つことが出来る共生社会をみんなで創ろう。

【宣言4-4】
地域の課題解決のために、地域や所属、分野をこえた人のネットワークを作ろう


※関連する提言
・やっかいな問題を解くために、所属や分野を越える「つながり」を作る「ハブ」を見出し、活躍できるようにしよう。 
・地域コミュニティで自分たちのSDGsをつくり、実践しながら、「いのち」の尊厳を守り育てる社会を構築しよう。

【宣言4-5】
企業と社会が積極的に対話し、一体となって助け合いの経済システムを構築しよう


※関連する提言
・企業と社会が対話をして、環境や社会の課題解決に向けて一緒に行動していく社会を実現します。企業が自分の行動に責任を持ち、未来のありたい姿を描き社会に説明をすることが大切です。
・人間を「富を生み出すモノ」としてではなく「いのち」としてとらえ、「人権」に向き合うビジネスの世界を創ろう。
・価格だけでなく「雇用を競う」公共調達と、雇用数だけでなく「雇用の質を問う」中間支援組織の連動で、みんなの「働きはじめる」「働きつづける」を支えよう
・多様な文化をはぐくむ共同体の願いに叶うビジネスを実践し、未来が歓迎する美しい経済の風景を創ろう。
・人間も人工物も包みこむ地球のいのちの持続的な循環と再生のために、共生志向意欲が喚起される価値モノサシで、新たな豊かさに向かおう。
・リベラルアーツを土台に社会課題に向き合い共助経営を実践し、持続可能な社会の構築を提案し、未来の価値観を共有しよう。

【宣言4-6】
自然の中で生かされいることに気づき、自然を大切にする活動を広げよう


※関連する提言
・サンゴ礁が多様な自然を包み込みながら成長するように、地域と時代を超えてヒトと自然をつなぐサンゴの方舟(洋上大学)によって、世界中の独自の自然と文化が尊重され共栄する未来をつくる
・「鎮守の森」「八百万の神様」といった日本の伝統文化における自然観を再発見し、生物多様性や生態系の保全、人間と自然の共生のあり方など、現代的な課題の解決につなげていきましょう。
・自然がヒトからかけられている迷惑を「いのちの声」として目に見えるようにする。それをヒトの考え方や行動を変えるきっかけにする。日本での実践を力に世界の仕組みにしていく。

いのちを「しる」

「いのち」のみなもと、「いのち」を成り立たせているもの
「いのち」が向かっているところを科学、哲学、宗教だけでなく、さまざまな経験を通じて知り、生かされていることの意味を知る

【宣言5-1】
地球に関する様々なことがらを知り、生きた地球を心の中に抱き、地球と人類の関係を捉え直そう


※関連する提言
・「生命と地球の共進化」の歴史を継承し、「人類と地球の共進化」の段階へ。「人新世」Anthropoceneを「人類による地球OS更新の世紀」と読み替えて、人類の本来の知的創造性を解発していきましょう。

【宣言5-2】
人間以外の「いのち」にも共感し、環境問題を自分ごと化して行動を起こそう


※関連する提言
・未来の地球環境を守るため、共感によるパートナーシップ活動を広げ、実現のためのプラットフォームを形成し、すべての人が「いのち」を大切にするアクションを選択できるようにしよう
・遠くのいのち、次のいのちに想いをはせる力を育て、気候変動への対策を自分事として取り組もう。

【宣言5-3】
GDPを超えて、幸福や文化的活力を捉える新たな指標を開発し、質の高い暮らしにつなげよう


※関連する提言
・どこの国や環境にいても、学ぶ事や働く事で得られた知識・能力・信用が、「見える」ようになり、正しく評価され、「好きで得意な道」を歩める世の中を実現しよう。 
・GDPのような既存の指標の限界に取り組み、社会の幸福における感情的レジリエンスや文化的活力といった非物質的側面を捉えるための「統合繁栄指標(Integrated Flourishing Measures: IFMs)」を開発しよう。

【宣言5-4】
デジタルテクノロジーを活用して社会課題の現場を知り、共感の範囲を広げよう


※関連する提言
・テクノロジーを活用することで、社会課題の現場とのつながりを生み、人々の共感をはぐくむ活動をすすめていきます。 
・ネットと実際の対話を組み合わせて、みんなの「よりよい社会をつくるアイデア」を集めています。世界の人々と「いのち」について考え、新しい未来をつくっていきましょう。

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