「いのち会議」とは、「いのち」とは何か、「輝く」とはどういうことか、「誰一人取り残さない」ために何をなすべきかを、あらゆる境を越えて考え、話し合い、それぞれが行動に移す場です。いのち会議 

活動状況|いのち宣言

【提言】Human Healthcareの視点に立って、患者や障がいのある人の生き様や憂慮に共感し、それぞれに受け与えられた「いのち」の可能性を実現し、その人らしい人生を「生ききること」を支え合おう

SDGs ゴール03
SDGs ゴール17

概要

ヒューマン・ヘルスケア(Human Healthcare)とは、患者様や障がいのある人とつながり、その生き様を共有し、その人生の体験を通した憂慮に共感して、その人らしい人生を「生ききること」を支えていく在り方のことです。「いのち」とはサイエンスの観点からの生命という意味だけではなく、人としての存在を継続する能動的な活動です。そして、病気や障がいなどの体験を通じてこられた弱さの力をお持ちの方々は、「いのち」の循環を生み出す中心的な役割を果たします。彼ら彼女らから気づきをいただき、皆の「いのち」が贈り与えられ、「いのち」に溢れ「いのち」が繋がる共存在社会にしていくことが目指されなくてはなりません。

エーザイ株式会社は、難病の方、障がいのある方から気づきをいただき、その方々のために解決策を立て実践することを企業理念としています。企業理念にヒューマン・ヘルスケアを稼働ロジックとして埋め込んでいます。目的は患者と障がいのある人のベネフィット向上であり、その結果として利益につながるという順序を大切にしています。

社員は就業時間の少なくとも1%を患者や障がいのある人と過ごし、共感に至る体験が義務付けられています。そのプロセスの中で理念の実現を目指します。また、社員の中には、知的障がい者のホーム「かなの家」を訪れ、ホームの仲間たちの予想もしなかった感情豊かで人間らしい姿に触れ、自分自身におこるさまざまな変化から気づきを得ている人々もいます。

このプロセスをコミュニティに応用したのが住民創発型リビングラボという地域活動です。地域住民団体と企業が前例のない共催契約を締結し、地域住民が主体的に未来に向けたエコシステムを実践しています。

たとえば、ノックオンザドア株式会社が運営するスマートフォンアプリ「nanacara」は、てんかん発作をその場で簡単に記録することが可能であり、服薬状況や発作頻度など日々の情報を管理し、家族や医師と共有できるスマートフォンアプリです。患者や家族による「スマホでもっと簡単にてんかん発作を記録できたら」という気づきから2年にわたって250名以上の患者や家族と時と場を共有し、難病の子どもが生まれ悲哀を体験した親御さんと「これから難病の子どもが生まれる家族に同じ想いをさせたくない」という共感を重ねました。憂慮の抽出からアプリ設計に取り掛かり2020年3月に上場しました。

ノックオンザドアは「難病患者・家族が輝き、自分らしい人生を送れる社会の実現」を目的とし、診療だけに限らず、生活などを含めてクオリティ オブ ライフを向上させるソリューションを見いだしています。

今後は、IT技術を用いて、てんかん発作を予知するテクノロジーを開発していきます。すでにオンライン診療を確立しましたが、AIを駆使して現在の表情・音声やバイオマーカーを把握し症状を正確に医師側に伝えることも可能です。蓄積されたデータからAIによって正確な診断と適切な治療薬候補を導き出すことも視野に入れています。2024年中には認知症の方の生きざまや自分らしさから、これからの人生の目的を抽出することが可能になり、家族や周囲の人たちと共有し支え合えることもできるようになるでしょう。2026年にはプラットフォーマーとして患者や医療従事者を主体にイノベーションが創発されるエコシステムを構築します。

いのち会議は、こうした組織と連携し、Human Healthcareの原点に立ち返り、患者、家族、医療者、支援者をつなぎながら、互いに「いのち」をまもりあい、それぞれが病気に向き合い、与えられた人生を健やかに送ることができる社会を目指します。

参考情報

・エーザイ株式会社の取り組み:エーザイ株式会社公式サイト
 https://www.eisai.co.jp
・ノックオンザドア株式会社の取り組み:公式サイト
 https://knockonthedoor.jp/

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