いのち宣言
すべての人が安全に安心して暮らせる世界をつくるため、そして貧困の連鎖を断ち切るため、すべての人、とりわけ女性が教育を受けられるようにしよう
女性が男性と平等になることは、女性の人権が守られるだけでなく、平和で持続可能な繁栄する世界をもたらします。社会の安定、健康、持続可能な成長、災害に対する強靭さなどに欠かせないのが平等です。男女の平等には多くの要素がありますが、中でも教育は重要です。
教育を受けた女性は、教育を受けない女性と比べて、より多くの収入を得る可能性が高くなり、こどものうちに結婚する可能性や、産むこどもの数が減ります。出産回数が減れば身体への負担が減り、出産時に自身とこどものいのちを危険にさらす可能性も低くなります。さらに、教育を受けた女性のこどもたちは、乳幼児死亡率が下がり、栄養失調になりにくくなります。教育を受けた女性たちは、自らの人生において自己決定できる可能性が高まり、差別されたり、暴力の被害に遭ったりする可能性が低くなります。
また、教育を受けた女性は、こどもやコミュニティの将来に投資する傾向があるため、自分のこどもたちを学校に通わせ、コミュニティ 全体にとって有意義な行動をとります。コミュニティは発展・繁栄し、経済的にも豊かになり、こどもたちは更に教育を受けやすくなり、差別が縮小していくことで性的差別や暴力も減少し、持続可能な経済活動が行われて、災害に強いコミュニティをつくることができます。こうして、女性が男性と同等の教育を受けられることによって、女性だけでなく社会全体がより安全で安心できるものになるのです。
平和な国際社会を目指し、世界各地で紛争や自然災害により厳しい状況にある人びとへ「生きる力を支えていく」をモットーに、緊急から復興の各段階できめ細やかな支援活動をおこなう国際 NGO である認定NPO 法人ジェン(JEN)では、女子教育の支援と女性のエンパワーメントの活動を進めてきました。
世界各地において、女性の置かれた環境はまだまだ厳しく、たとえばアフガニスタンやパキスタンの保守的な地域では、女性が外で働くことをよしとしない慣習があります。家計を支えていた男性が亡くなったり、けがや病気で働けなくなったりした場合は、女性が外で働けないため、幼い男の子がわずかな収入のために道端でものを販売するなど厳しい状況が続きます。もし、女性が教育を受けていたら、縫製やパン焼きなどのような家の中でできる仕事を請け負うことができます。その場合は、男の子も学校に復帰することができ、世代を超えて続く貧困の連鎖を食い止めることができます。

女性が家でできるパン焼きの仕事で就学を支援しています
残念ながら、教育がないために仕事に就けず、家族を養えず、こどもが働くという悪循環の中に、まだまだ多くの女性とその家族が取り残されているのが実情です。こうした女性たちが、自らの力で収入を得て自らの未来を選べるようにしていかなくてはなりません。ジェンでは、世帯主である女性たちが家族を支えて生きていける ようにするために、女性たちが教育を受け、外に出なくても収入を得られる仕事に就けるようにする計画を立てています。具体的には 2030年までに、少なくともアフガニスタンのナンガルハル県の女性の半数が教育を受け、2035年までに女性が自分自身を大切にでき、家族を養えるだけの収入を生み出せる世界にすることを目指します。
いのち会議は、貧困の連鎖を断ち切り、すべての人が安心して暮らせるよう、さまざまな団体と協働し、すべての人、とりわけ女性が教育を受けられるよう働きかける活動を世界に広げます。
【参考情報】
・Global Gender Gap Report 2024 by World Economic Forum
https://www.weforum.org/publications/global-gender-gap-report-2024/
・The Cost of Not Educating Girls-Missed Opportunities:The High Cost of Not Educating Girls
・Impact of Women Education on Child health
https://www.researchgate.net/publication/357270826_Impact_of_Women_Education_on_Child_health
・認定特定非営利法人活動法人JEN
【アクションパネル】
平和・人権
【SDGs】


