いのち宣言
紛争で奪われたこどもたちの未来を取り戻すために、元こども兵の社会復帰支援と地雷除去活動を通じて平和な社会を築こう
世界には約30万人のこども兵が存在し、紛争地域では今なお毎日のように地雷が罪のない人びとのいのちを奪っています。
これらの問題は単なる遠い国の話ではありません。グローバル化が進む現代において、紛争の影響は国境を越えて紛争のない社会にも波及します。難民問題、テロリズム、経済格差の拡大など、これらすべての根源には、平和が確立されていない現実があります。
2001年に認定NPO 法人テラ・ルネッサンスを設立した鬼丸昌也さんは、大学4年生の時、カンボジアの地雷除去現場を訪れ、紛争が残した深い傷跡を目の当たりにしました。活動を続ける中で、地雷によって手足を失った人びと、そして何より心に深い傷を負った元こども兵たちとの出会いが、自分の人生を大きく変えたと言います。テラ・ルネッサンスは、「すべての生命が安心して生活できる社会の実現」を目指して24年間活動を続けてきました。現在、世界10カ国で展開する活動は以下のような成果を上げてきました。
●地雷・不発弾除去支援
カンボジアとラオスにおいて、これまでに約20万人の住民の安全確保に貢献しました。地雷・不発弾除去支援だけでなく、危険回避教育の実施により、地域住民が自ら安全を守る力を育んでいます。

カンボジアにおける国際NGO による地雷除去の様子
●元こども兵・紛争被害者の社会復帰支援
ウガンダ、コンゴ民主共和国、ブルンジにおいて、トラウマケアから職業訓練、マイクロファイナンスまでの包括的な支援を実施し、 2,000人以上の元こども兵の社会復帰を実現しています。また、こども兵にとどまらず、紛争で被害を受けた人々への「人間の基本的ニーズ」を満たすための医療・食料提供などの支援を、現状に合わせて実施しています。

ウガンダ北部にて職業訓練を受講する元子ども兵
●平和教育の推進
日本国内において20万人以上に平和教育を実施し、「一人ひとりが平和の担い手である」という意識啓発に取り組んできました。また、高校生を対象としたグローバル人財育成事業を日本・台湾で実施し、平和の担い手を育むための機会を提供しています。
こうした活動実績の上に、テラ・ルネッサンスは、2050年を見据え、以下の取り組みを計画しています。
●元こども兵の包括的社会復帰プログラムの拡充
心理社会的ケア、教育機会の提供、職業訓練、起業支援を統合したワンストップサービスを確立し、2030年までに年間1万人の元こども兵の社会復帰を支援します。特に女性の元こども兵に対する専門的なケアプログラムを開発し、ジェンダー平等の観点からも支援を強化します。
●平和教育のグローバル標準化
VR やオンラインプラットフォームを活用した体験型平和教育プログラムを開発し、世界中の学校で実施できる標準的なカリキュラムを構築します。2050年までに全世界で1億人のこどもたちが平和の価値を学ぶ機会を創出します。
いのち会議は、持続可能な平和への道筋を示すため、さまざまな支援組織と協力し、次世代の平和の担い手を育成し、各地域で平和活動を展開するための育成プログラムの開発を進めます。また、「いのち宣言」の理念をベースに、政府、国際機関、NGO、企業、市民社会が一体となって平和な世界を創造するための国際的な連携基盤を構築することを目指します。
平和は単なる理想ではありません。一人ひとりの具体的な行動によって実現できる現実的な目標です。私たちは、紛争で傷ついた人びとに寄り添い続け、すべての「いのち」が尊重される世界の実現に向けて、決して歩みを止めることはありません。
【参考情報】
・認定NPO 法人テラ・ルネッサンス公式サイト
・国際連合児童基金(UNICEF)子ども兵に関する報告書
https://www.unicef.org/protection/children-associated- with-armed-forces-and-armed-groups
・国際地雷除去キャンペーン(ICBL)年次報告書
http://www.icbl.org/en-gb/finish-the-job/landmine- monitor.aspx
・国連平和構築委員会資料
https://www.un.org/peacebuilding
【アクションパネル】
平和・人権
【SDGs】


