いのち宣言
次世代が、未来の可能性を思い描き、自らの行動によって未来を選び、つくることができる社会を構築しよう
人類は未来世代にどんな世界を残すことができるのか。過去から現代に影響を及ぼしてきたバタフライエフェクトが話題になる一方で、現代を生きる人々が未来に対してどれだけの影響を与えうるのかについては無自覚です。そこで、世代間倫理を見据えた長期主義的な視点に立ち、どんな未来を選んで、どのように行動して、何を残していきたいのか、未来を生きる若者が自ら立ち上がり、分野を超えて連帯することは重要です。
2025年大阪・関西万博の機会に、この分野を超えた未来への「イニシアティブ」に真剣に向き合うために、佐久間洋司氏(大阪大学社会ソリューションイニシアティブ(SSI)特任研究員)はシェイプ・ニューワールド・イニシアティブを立ち上げました。このイニシアティブは、日本国際博覧会協会と、世界経済フォーラムのイニシアティブの一つであるGlobal Shapers Community のメンバーとのコラボレーションから立ち上がったもので、この数年間にわたって様々な取り組みを推進してきました。
具体的には、社会デザインに係る調査研究(Shape New World Project)と未来社会創成委員会(Shape New World Committee)の二つの取り組みを推進してきました。いずれの取り組みでも、次世代を担う若者が未来を主体的に選択するという姿勢をもって2050年の未来社会ビジョンを設定することが鍵になっています。未来への文化共創、未来のコミュニティとモビリティ、食と暮らしの未来、健康とウェルビーイング、学びと遊び、平和と人権、地球の未来と生物多様性、SDGs+Beyond(いのち輝く未来社会)などの地球規模の課題に対して、責任を持って未来世代が未来を選び、実現していくという意思が背景にあります。そして、現代からその未来ビジョンにいたる道筋をバックキャストすることで世界の主要なギャップを整理してきました。例えば、科学技術や医療の進歩、政治や経済を含む社会システムの変革による解決策を策定しました。さらには、そのロードマップを現実のものにするための産学官民の具体的な行動指針も提案しました。

未来世代が自ら未来を形作る
大阪大学社会ソリューションイニシアティブ(SSI)は、佐久間氏を共同代表者として、「未来社会デザインに係る調査研究(Shape New World Project)」を立ち上げ、国立研究開発法人科学技術振興機構と共同して、国内のアカデミアや各業界のトップランナーを招いた未来社会デザインに係る調査研究報告書を取りまとめました。また、大阪商工会議所と公益社団法人2025年日本国際博覧会協会は、シェイプ・ニューワールド・イニシアティブの活動を共同で支援し、次世代による地球規模の課題解決を推進しました。その成果は、2025年大阪・関西万博において開催されたテーマウィークやシンポジウムで発信されました。
これらに通底するテーマは、未来世代が自ら未来を選び作っていくという意思です。そして、ここまでに研究され、議論されてきた未来社会のビジョンは、未来世代が行動することによって実現可能なものになっています。これからの25年をかけて参加者各々の活動がこれらのビジョンを現実のものにしていきます。具体的には、一般社団法人化したシェイプ・ニューワールド・イニシアティブでは年間に一回の調査レポートを発信するとともに、シンポジウムの登壇者の活動を定期的に取りまとめてトラックするプログラムの実施なども予定しています。また、筑波大学附属高等学校などと連携した探究教育における未来社会デザインについても検討していきます。
いのち会議は、シェイプ・ニューワールド・イニシアティブなど、さまざまな次世代を担う組織と連携し、その多様なビジョンとネットワークの広がりを活かし、次世代が未来を自ら選び、形作っていく活動を推し進めます。
【関連情報】
・Shape New World Initiative
・大阪大学社会ソリューションイニシアティブ協力プロジェクト:未来社会デザインに関わる調査研究(Shape New World Project)
https://www.ssi.osaka-u.ac.jp/activity/joint/future-society-design-by-shape-new-world-initiative/
・Global Shapers Community
https://www.globalshapers.org/home
【アクションパネル】
SDGs+Beyond
【SDGs】


