「いのち会議」とは、「いのち」とは何か、「輝く」とはどういうことか、「誰一人取り残さない」ために何をなすべきかを、あらゆる境を越えて考え、話し合い、それぞれが行動に移す場です。いのち会議 

いのち宣言

社会を支えるだけでなく、社会によって支えられるソーシャルビジネスの普及によって、共感に支えられた未来を実現しよう

起業家がなぜ起業を選ぶのか、その動機は時代の経済的背景に大きく影響されています。過去から学び、現代の課題を考え、それを行動に変え、未来を切り拓くことが私たちに求められています。多くの起業家たちは信念を行動に移して社会を変えてきましたが、時にはその信念が経済的・社会的成功にすり替わってしまうこともありました。特に先進国では、経済合理性が優先され、地球環境や途上国に深刻な影響を及ぼしました。資源争いや安価な労働力の問題が経済格差を広げ、貧困と環境破壊が進行しています。この現実を直視し、これからのビジネスや社会の在り方を見直し、持続可能な未来を築く必要があります。

ソーシャルビジネスは、利益追求だけでなく、社会全体に影響を与える課題を解決することを目指しています。いのちを守りたい、安心して暮らせる社会を作りたいといった社会を想う気持ちが行動の原動力となり、見過ごされてしまうような小さな声に耳を傾け、それを社会の希望へと変えてきました。現代の社会を変えていくためには、現代の経済システムを利用することが必要であり、社会性と経済性の両立に苦慮しながら、ソーシャルビジネスの起業家は目指すべき未来像に向けて歩んでいます。

これまでの利益追求のビジネスには限界が生じています。多くの先進国では経済成長の限界が見えはじめたうえ、経済性を追求するビジネスが社会問題を深刻化させているという懸念が大きくなりつつあります。現代のモノと情報が溢れた世界で、消費者はより良く生きる意味を求めはじめ、安全を脅かすような環境や社会への負担を減らし、持続的な社会を求めるようになりました。このようなことから、社会的な善を経済の仕組みを使って実現するソーシャルビジネスへの期待が高まっており、社会からも、さまざまなな点で支えられています。

特定非営利活動法人コモンビートは、個性と多様性の尊重をテーマにしたミュージカルを通じて、人材育成と社会啓発の活動を実施 しています。地域社会が活性化していくためには、立場や背景の異なる人が共に活動をしていく機会が必要であり、そこにおいて、互いの個性の尊重が不可欠になります。こうした難しいテーマを身体で理解し実感できるのがパフォーミングアーツ(総合芸術)の強みです。コモンビートでは、100人が100日かけてミュージカルを創るという過程を通じて、多世代・多国籍の人達が、お互いの違いを乗り越えて理解しあうことの素晴らしさを体験していきます。


100人100日ミュージカルの上演風景

このような経験をした仲間が、全国で地域における繋がりを取り戻すためのリーダーとして活躍するようになり、コモンビートのプログラムを地方都市で開催することが全国でおこなわれています。こうしてコモンビートの活動は、自然な形で全国に広がり、想いが想いを呼び支え合うという活動が21年続いています。今後は、2050年までに100万人の方にメッセージを届け、経済合理性や効率だけに頼らない多様性の育まれる場を生み出すことによって、日本の各地域に活気を取り戻していくことを目指していきます。

社会を想う気持ちは、小さな声に耳を傾けることから始まる。すなわち自身と異なる多様な社会に意識を向け、その想いに心を動かしていくことから始まります。そのことは結果的に、社会から応援を得ることになり、共感によって長く愛される活動を支える原動力に変わっていくのです。私たちはみな違うからこそ、ここに素晴らしい社会があるのです。

いのち会議は、コモンビートのようなソーシャルビジネスを普及させる団体と一緒に、違いを楽しみ、想いを重ね合わせ、共感に支えられた未来を実現します。

【参考情報】

・コモンビート

https://commonbeat.org

【アクションパネル】

経済・雇用・貧困、多様性・包摂

【SDGs】