「いのち会議」とは、「いのち」とは何か、「輝く」とはどういうことか、「誰一人取り残さない」ために何をなすべきかを、あらゆる境を越えて考え、話し合い、それぞれが行動に移す場です。いのち会議 

いのち宣言

こども食堂の活動を広げ、人と人をつなぎ、いのちをはぐくみ、 輝かせる「居場所」がいたるところにある日本と世界を実現しよう

2050年、日本の人口は1億人を切り、高齢化率は40%に達すると言われています。いのちが輝くためには、人々が幸福を実感できることが必要です。しかしお金があっても「つながり」がなければ幸福は感じられません。2050年の日本、そしておそらく世界では、ますます「つながり」の重要性が強調されていることでしょう。

人と人のつながりを実感できる場をつくる取り組みとして、日本には「居場所づくり」の取り組みがあります。世界に先駆けて少子高齢化や人口減少に直面し、コミュニティの衰退を実感しているからこそ、世界に先駆けて、地域住民の手で、住民自治の活動として盛んに行われています。

あらゆる人が参加するこども食堂の風景

こどもが一人でも行ける無料または低額の食堂として始まったこども食堂はそうした居場所の一つです。

今では、こどもに限らず、誰もが参加できるオープンかつユニバーサルな居場所として運営されている点に特徴があります。年齢・性別・所得・出自を超えて、地域の人たちが顔と顔を合わせ、異なる境遇を知り、異なる意見に耳を傾け、異なる人たちと交わり合う「ごちゃまぜ」「まぜこぜ」の場所です。

地域住民が手弁当でつくりあげるそうした場が人々の共感を得て広がり続け、2024年には公立中学校の数を超える10,867か所にまで達しました。

認定NPO 法人全国こども食堂支援センター・むすびえは、そうした居場所が廃れてきたコミュニティを再建し、地域の持続可能性に関心を持つ人たちや次世代を育成するとともに、「分断」に陥りがちな現代人の視野を広げ、一人ひとりが地域ひいては社会の担い手として主体化していくことを目指し、その普及に取り組んでいます。これまで、各地域のこども食堂ネットワーク(中間支援団体)がより活動しやすくなるための後押しを行い、こども食堂を応援してくれる企業・団体とこども食堂をつなぎ、こども食堂の意義や実態を伝え、理解を広げる調査・研究を行ってきました。むすびえは、こどもたち、こども食堂、こども食堂を支援してくれる人たちの3者をつなぐ「むすびめ(場)」の役割を果たしていると言えます。

世界に目を向ければ、取り残され、尊重されていないと感じる人たちが、既存のシステムにNO を突きつける場面が目立って増えてきています。また、似たような境遇、似たような意見の人たちに取り囲まれる中で、互いの姿が見えなくなり、相互に不信感を強めています。

異なる意見と向き合おうと口で言うだけでは事態は変わりません。

「気づいたら、いろんな人たちと接していた」となるような場が存在する世の中をつくっていく必要があります。こども食堂は、食事をともにした人々が互いに打ち解け合うことを通じて、人が他者の尊厳を感じ取り、他者に対する敬意をはぐくむ場です。

「むすびえ」は、こども食堂がすべての人にとって歩いていける範囲にある日本社会の実現を目指しています。そのために2030年までのなるべく早い時期に、こども食堂がすべての小学校区にある状態を実現します。また、2050年には誰もが集い、支え合える地域の居場所が、より多くの国に普及している世界の実現を目指したいと思います。

いのち会議は、「むすびえ」などの組織とともに、こども食堂の活動を広げることによって、人と人がつながり、互いの尊厳を真に尊重し合える世界の実現を推進していきます。

【参考情報】

・むすびえホームページ

https://musubie.org/

・2024年度こども食堂全国箇所数調査

https://musubie.org/news/11208

・いのち会議連携事業

https://musubie.org/news/10414

【アクションパネルのテーマ】:

教育・こども、経済・雇用・貧困、街づくり・防災、多様性・包摂、アート・文化・スポーツ

【SDGs】