「いのち会議」とは、「いのち」とは何か、「輝く」とはどういうことか、「誰一人取り残さない」ために何をなすべきかを、あらゆる境を越えて考え、話し合い、それぞれが行動に移す場です。いのち会議 

いのち宣言

認知症を「人生最大の成長ステージ」と捉え、今できることに目を向け、感謝を胸に生きることで、誰もが身体を大切にし、安心して暮らせる優しい共生社会を築こう

一般社団法人「認知症予防活動コンソーシアム」(通称「ニヨ活」)は、「認知症で人生をあきらめる人をゼロに」という理念を掲げ、認知症サポーター有志によって2019年に設立されました。認知症の予防と共生という二つの側面から社会貢献活動を企画・運営し、超高齢社会における新たな可能性を追求しています。

日本は少子高齢化が急速に進展し、長寿化が進んでいます。医療技術の進歩や多様な介護サービスの登場は、それに伴う医療費・介護費の増大という喫緊の課題を浮き彫りにしています。特に少子化が進む中、この財政的な負担は社会全体にとって深刻な問題です。

認知症は単なる「老い」ではなく「疾病」であり、必ずその前段階が存在します。リスク回避のための健康への取り組みは非常に重要ですが、ニヨ活はそれだけでは不十分だと考えています。肉体的な予防に加えて、リスクが高まる高齢世代が生きがいを持ち続けられる社会でなければ、真のリスク回避には繋がりません。最も重要なのは、自身の住む地域で、社会や人とのつながりの中で、心から「楽しい!」と感じられることなのです。

ニヨ活は、身体の健康に取り組むと同時に、地域での生きがいになる仕組みづくりこそが重要だと認識し、多角的なアプローチで活動を展開しています。


オレンジリンピックの様子

その代表的な取り組みの一つが、フィンランド発祥のモルックを 1/5に軽量化したユニバーサルスポーツ「ミニらいとモルック®」を活用した活動です。ニヨ活は、このスポーツを用いて数百名規模の大型スポーツ大会「オレンジリンピック」を定期的に開催しています。 2歳の子どもから90歳代の高齢者まで、幅広い世代が参加できるのが特徴です。一般の参加者だけでなく、障がいのある方、介護支援が必要な方、そして認知症のある方も参加することで、多世代・多様な生き方を持つ人々との自然な交流が生まれています。

このスポーツを通じた交流をさらに発展させるため、ニヨ活は地域の居場所づくり事業「モルパ(モルックパーティー)」をスタートさせました。モルパでは、ミニらいとモルックの指導に加えて、認知症の方への配慮や関わり方に関する学びを盛り込んだ講習も実施しています。これにより、地域活動を自走できる人材の育成にも力を入れています。

ニヨ活の活動は、スポーツ交流だけに留まりません。アルツハイマー型認知症の初期症状の一つである嗅覚の低下に着目し、アロマセラピストとの連携による予防への取り組みも行っています。また、シンポジウムや研修会の開催を通じて、認知症の予防と共生に関する最新情報を発信し続けることで、社会全体の理解促進に貢献しています。

人は人との交流の中でしか、幸せを見いだせません。この考え方を軸に、今後、二ヨ活は、みんなで楽しんでできるスポーツができる場所を増やしていきます。幼稚園や小学校から高齢者施設・病院など多世代ができるユニバーサルスポーツを広げます。そして認知症をテーマにしながら、多世代が集まるスポーツイベントや居場所ができるよう、人材育成と仕組みづくりを推進し、自然発生的な地域自走化を目指します。その仕組みの中で、今の社会に沿った程よい距離感の中でつながり合う地域社会の発展を推進していきます。

人は誰かの役に立つことで生きがいを見出す生き物です。いのち会議は、この本質的な行動を持続させるためにも、ボランティアに近いスモール事業として成り立つ仕組みを大切にし、官民産学連携で活動を推進します。特に、ニヨ活などの組織と連携して、人びとが心の中に持つ「役に立ちたい」、「学びたい」という想いを形にするためのきっかけと仕組みを提供します。2050年に向けて、超高齢社会だからこそ実現できる、優しく楽しいユニバーサル社会の実現を目指し、挑戦し続けます。

【参考情報】

・ニヨ活

https://niyokatsu.com

・オレンジリンピック

https://www.niyokatsufes.com/orangelympic

【アクションパネル】

多様性・包摂

【SDGs】