「いのち会議」とは、「いのち」とは何か、「輝く」とはどういうことか、「誰一人取り残さない」ために何をなすべきかを、あらゆる境を越えて考え、話し合い、それぞれが行動に移す場です。いのち会議 

いのち宣言

人間を「富を生み出すモノ」としてではなく「いのち」としてとらえ、人権に向き合うビジネスの世界を創ろう

私たちの社会の中心には、「企業」という母体が編みあげる経済活動があります。その営みは、人間の安全・安心の欲求を所与のものとし、さらには度重なる革新的な技術発展により、大いなる富を生み出し、人類の自己実現の欲求も満たしてきました。

しかしながら、大いなる富は何にも代えがたいパワーになってしまうため、人間は富を増やすことばかりに目を向けていきました。本来ならば、「お金」という存在は、物質や体験といった提供物との価値交換の尺度であり、何かを得てお金を支払うことを前提としますので、実体のないところからお金が生み出し続けられるはずもなく、お金がお金を生んでいくという極端な資本主義システムにはいずれ限界がやってきます。資本主義経済が極端な方向に舵を切っていくことにより、人間は富を生み出すための「資本」であるという暗黙知が蔓延し、それよりも大切な「いのち」に目を向けることを忘れてしまっているように見受けられます。富と引き換えに、人が人を尊重する豊かな心の成長がおろそかにされているのではないでしょうか。

企業に求められる人権デュー・ディリジェンス

「人権」という言葉に対する感度が低いために、無意識の偏見(アンコンシャスバイアス)からくる、いわば無自覚な差別も多く発生しています。特に、日本は積極的に移民を受け入れているわけでもなければ、多民族が混在する国家でもないため、「人権」という言葉に対する感度が低い傾向にあると言えます。気がつかないうちに尊い「いのち」を差別的に捉えてしまうことが散見され、輝けるはず の「いのち」が悲しいことに失われていくケースも少なくありません。内需の減少により、グローバルにビジネスを展開する企業が増加する中、日本の企業においては、自省をこめて、これまでよりもさらに「人権」の問題に対する感度をあげていかねばなりません。

だからこそ、人の集合体であり、かつ経済の中心にある企業が、「人権」という「人間が人間であるための根源」に向き合い、今世界で何が起きているのか、目の前で何が失われているのか、それらの事実を知ることが肝要です。世界的なガイドラインも多く制定され始めていますが、日本においても「ビジネスと人権」に関する行動計画が法務省から発出され、すでに企業には人権における負のインパクトを低減させる義務が発生しています。いまや、企業は経営の優先事案として、人権への悪影響を見つけ出し、防ぎ、対処するための責任ある取り組み(人権デュー・ディリジェンス)に向き合う必要があり、そうでなければグローバルで発展を実現することなど不可能と言えるでしょう。

こうした状況の中、日本においては、株式会社リンクソシュールなど、企業が人権リスクに向き合い、リスクの把握や特定・分析だけでなく、根本原因の解決・改善につながる組織の改善や、ステークホルダーに向けた開示までを支援する取り組みも進められています。

「自分」か「相手」かだけの対立構造で物事を捉えるのではなく、「自分」と「取り巻く世界」のように視界を広げること。そして、すべてを「or(=どちらか)」として二元論的に捉えるのではなく、「and(=どちらも)」で思考し、グラデーションで時代の変化を捉え、次の時代に豊かな社会を残していくことが人間としての責務です。

いのち会議は、未来への期待にあふれた社会の実現に向けて、企業が真摯に人権デュー・ディリジェンスに向き合うようになることを目指します。そのために、リスクの把握や特定・分析にとどまらず、根本原因の解決・改善につながる組織の改善や、ステークホルダーに向けた開示までを一貫して支援し、企業が人権に向き合うことが当たり前となるための活動を進めます。

【参考情報】

・人権デュー・ディリジェンスの重要性

https://www.link-ss.co.jp/human-rights

【アクションパネル】

経済・雇用・貧困、平和・人権

【SDGs】