「いのち会議」とは、「いのち」とは何か、「輝く」とはどういうことか、「誰一人取り残さない」ために何をなすべきかを、あらゆる境を越えて考え、話し合い、それぞれが行動に移す場です。いのち会議 

いのち宣言

働く場や企業が保有する自然・知的資産、および文化資産を一般の人びとに開放し、いのちを大切にする社会を実現するための拠点にしよう

石坂産業株式会社の社員が働く場所は、埼玉県三芳町、川越市、所沢市、狭山市の1町3市に跨っています。2015年、この土地で働き、暮らす多世代の人びとが集い、四季彩に織りなす美しい雑木林の中で、憩い、食し、遊び、学ぶ、交流広場を「三富今昔村」として開村しました。

当初は「自然を暮らしの中に…新里山スタイル」をコンセプトに、こどもたちが自然の中で躍動し、おとなが集い談笑する場所でした。その後、会社の事業特性やこの土地特有の自然・文化等に着眼し、事業ビジョンを可視化し、共感をつなげ、そして創発を起こす場、また、この土地の自然・文化を守り育て、未来につなげる広場として再構築しました。

石坂産業が伝えたい価値は二つあります。一つは、「ゼロ・ウェイスト・デザイン」。これは、「ごみをゼロにする」のではなく、「ごみをごみとしない」社会の創造です。もう一つは、古来伝統の森羅万象に命が宿る精神を尊重し、「自然と美しく生きる」意識を育みつなげることです。

特に、これらの価値を言語だけの表現によってではなく、非言語のアート的な要素も取り入れることで、「三富今昔村」の空間をデザインしました。広場に一歩足を踏み入れれば、必然的に思いや意図が五感で伝わるよう、工夫が施されています。自然・社会体験の提供は、生活習慣を見直し身近な自然に気づかう、意識・行動変容を促すものであり、「体験型」環境教育・ESD(持続可能な開発のための教育)と言えるでしょう。

現世代や未来世代のニーズを先読みした投資活動も行われています。2024年には、敷地は東京ドーム4個分を超え、来村人数は 6万人を超えました。企業・団体の視察研修、学校の探究型授業など、用途も広がりを見せています。

壁はリサイクル資材で施工。「循環と再生」を体現

石坂産業は、いのち会議が掲げる「いのちを大切にする社会の実現」に共感し、2050年までに三富今昔村の来村数を50万人にすることを目指し、その達成に向け、次の三つのアクションプランを実施します。

①「Well-being」の連鎖で、新たな「自然と人」のいのちのつながりを創ります

地球温暖化や都市開発で、土中生物は悲鳴をあげています。隣地の三芳町清掃工場の跡地を逆開発し、土壌生態系を回復させるリジェネレーション・ビジネスに挑戦します。たとえば、センチュウ、土壌微生物、ミミズ等の生息環境を整え、そこに固有種の樹木を植えます。地下と地上の多様な生物のいのちがつながる、エコ・観光スポット仮 称「生命の森」を造ります。豊かに回復した土壌から「健康」な里山を育て、「健康」な自然の恵みを、人の「健康」福祉に役立てる、 Well-being の連鎖をデザインします。

②「体験型」環境教育・ESD で絆を広げ、未来のいのちを大切にする人を育てます

2013年に「体験の機会の場」研究機構の協議会を発足しました。2019年から、未来のリーダー発掘と広報を兼ねたGBEF(グリーン・ブルー・エデュケーション・フォーラム)を開催しています。環境省も共催として参加し、企業・団体の寄付金・協賛により運営しています。2025年は、大阪・関西万博内の会場で多世代な人びとと交流・連携・協働により、GBEFを持続可能な活動とします。 47都道府県に「体験型」環境教育・ESDの認定事業者を1箇所以上増やし、地域を担う人を育みます。

③アジア諸国にゼロ・ウェイスト・デザインの価値つなぎ、地球のいのちを守ります

アジア諸国は、廃棄物を適正処理する技術開発が遅れ、資源化する国が少ない状況です。「ごみ箱にごみを捨てる」慣習が十分に定着していない国も多くあります。建設廃棄物を98%資源化するリサイクル技術・知的資産を、アジア諸国に提供します。海外にゼロ・ウェイスト・デザインを広め、資源が循環する社会を推進します。経営・技術の視察研修やインターンシップ生を積極的に受入れます。また、環境ビジネスの志を持つ外国の人びとを雇用し、5カ国以上での起業を支援します。

五感をフルに使い学べる環境教育フィールド

いのち会議は、石坂産業をはじめとする組織と連携し、三富今昔村のような地域モデルが日本各地で発展することを促します。

【参考情報】

・三富今昔村

https://santome-community.com/

・「体験の機会の場」研究機構

https://esd-place.org

【アクションパネル】

教育・こども

【SDGs】