いのち宣言
【提言】ゲームを通じた学びと対話で、「共通の目標がある世界」と「ない世界」の違いを実感し、誰もが未来を共創できるインクルーシブな社会を実現しよう。
概要
SDGsは、2015年から2030年までの国際目標として設定されました。2015年以前にはMDGs(Millenium Development Goals)があり、現在はSDGsの次の枠組みが議論されています。重要なのは、これらが単なる一時的な目標ではなく、前世紀末から私たち人類は「世界共通の目標を持つ世界」への変革に挑戦しているという点です。前世紀、人類は国家や企業がそれぞれの目標を追求し、二度の世界大戦や環境破壊などの深刻な問題を引き起こしました。一方で、今世紀は、時代に応じた人類共通の目標を持ち、協調的な変革によって社会をアップデートできるかどうかが問われています。こうした理解がSDGsを考える上での出発点となります。
しかし、現状では「SDGsを知識として学ぶこと」が中心となり、その本質を体感する機会が十分に提供されていません。未来を創る気持ちを起こすためには、単なる情報伝達ではなく、「世界共通の目標がある世界」と「ない世界」の違いを実感できる学びの場が必要です。
この課題に対し、すなばコーポレーション株式会社は 「Get The Point」 というボードゲームを開発し、子どもから大人まで幅広い世代に向けて提供してきました。

「Get The Point」 は、SDGsの個々の目標を知るのではなく、「世界共通の目標があることの意義」をゲームの体験を通して学ぶことを目的としています。プレイヤーは、共通の目標がある社会とそうでない社会の違いをシミュレーションしながら、協力や対話の重要性を理解します。これは単なる知識の習得ではなく、ゲームを通じて自らの思考や行動に変化をもたらす仕掛けになっています。
また、本ゲームは全国の自治体とも連携し、地域ごとの課題に合わせたカスタマイズ版を展開することで、より現実に即した学びの機会を提供しています。すでに全国7自治体で導入されており、教育現場や地域コミュニティで活用されています。

さらに、この学びの場をより多くの人に開かれたものにするため、視覚障がい者の方々もプレイできる 「Touch The Point」 の開発を進めています。このバージョンでは、「触れること」をゲームの根幹とし、視覚の状態にかかわらず誰もが一緒に学べる設計を試みています。また、視覚障がい者自身がファシリテーターとなり、学びの場を提供する仕組みを作ることにも挑戦しています。

いのち会議は、すなばコーポレホーション株式会社と連携して、2050年に向けて、以下の3つのアクションを推進していきます。
1.「Get The Point」のさらなる普及と進化
これまでの実績を活かし、より多くの教育機関や企業、自治体と連携し、持続可能な学びの場を提供します。また、今後は海外展開も視野に入れ、世界共通の目標を考える場をさらに広げていきます。
2.誰もが学び、対話できるインクルーシブな場の提供
「Touch The Point」を活用し、障がいの有無にかかわらず学びを共有できる機会を増やします。さらに、異なる背景を持つ人びとが一緒に学べる体験型ワークショップの開発も進め、誰もが参加できる社会づくりを推進します。
3.ゲームを活用した学習プログラムの拡大
現在、ゲームを活用した 「いじめ予防ワークショップ」 を開発・実施しています。これは、ゲームを通じて「なぜいじめが起こるのか」、「どのように防げるのか」を考える場を提供し、こどもたちの意識を変える取り組みです。今後も、社会課題に対してゲームという手法を活用し、体験を通じた学びの可能性を広げていきます。
SDGsや社会課題に関する学びは、単なる知識の取得ではなく、体験として深く理解することが重要です。いのち会議はそのための手法の一つとして、ゲームや対話型ワークショップを活用した教育の普及を推進してまいります。
参考情報
・子どもと大人のSDGs学習ゲーム Get The Point
https://www.sdgsgtp.com/
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