いのち宣言
【提言】「若者の視点から自然との共生を探求し、世代や文化を超えた対話を通じて、持続可能な社会の実現に向けた具体的なアクションを共創しよう。
概要
世界中の人が日本人と同じように生活をして資源を使うと、なんと2.9個も地球資源が必要だと言われています。地球は1個しかないのに、2.9個分の資源を使っている日本人は本当に先進国なのでしょうか?特に都市部に集中して消費されるエネルギーや資源は、私たちの生活や働き方そのものが地球に負担を与えていることを示しています。
世界のGDPのおよそ半分が生態系サービスに依存していると言われており、生態系が破壊されれば、社会やビジネスは正常に機能しなくなります。地球上には3,000万種以上の生物が存在し、これらの種は私たちが日々享受している自然の恩恵を守るためにも不可欠な存在です。しかし、私たち人類はその中のたった1種でありながら、27%もの種を絶滅の危機に追いやっています。つまり、多様な地球上の生物の保護に取り組むことは、私たち自身の生活基盤を守ることと同義なのです。
生態系の中で重要な役割を果たす「キーストーン種」とは、比較的少数でありながら、生態系全体に大きな影響を与える種のことです。代表的な例として、ラッコが挙げられます。1990年代、乱獲によりラッコの個体数が激減した際、彼らが食べていたウニが急増し、ウニによって海中のCO₂を吸収する「ブルーカーボン」の役割を担うケルプ(大型の海藻)が食い尽くされました。このように、生態系は複雑に結びついており、一つの種の消失が連鎖的な環境破壊を引き起こす可能性があることを示しています。
このような環境課題に対し、今、私たちがすべきことは何でしょうか?それは、地球環境の危機を正しく理解し、その課題解決に向けて迅速に行動することです。一般社団法人SWiTCHは、学校や教育機関との連携による環境教育プログラムの実施、企業とのパートナーシップによる持続可能な社会のための商品やサービスの開発、自治体と協働した生物多様性に配慮した街づくりなど、多様な取り組みを推進しています。例えば、再生可能エネルギーの導入支援、サーキュラーエコノミーの推進、都市における生態系の回復プロジェクトなど、若者の視点を活かした革新的な解決策を提案し、実践しています。
「情けは人の為ならず」という言葉があるように、「気候変動対策も地球の為だけではない」のです。私たち自身のためにも、生態系との共存を目指す行動が必要不可欠です。
SWiTCHは、2030年のSDGs達成、2050年のパリ協定の目標達成に向けて、次世代を担う20代の若者たちを中心に、世代・業界・国境を越えた対話と協働を促進していきます。今後は特に、都市部における生態系との共生モデルの構築、環境技術のイノベーション支援、若者による政策提言活動の強化に注力していきます。
いのち会議は、SWiTCHのような団体とともに、生態系と調和した「地球一個分の暮らし」が実現できるよう、環境教育プログラムの展開、世代間対話の促進、そして具体的なアクションを生み出すプラットフォームづくりを進めてまいります。私たちの未来、そして地球上の全ての生命の未来のために、共に行動を起こしていきましょう。
参考情報
・一般社団法人SWiTCH 公式HP:
https://switch.bio/
・動物図鑑~今その動物はどんな危機にある?~ |注目の活動特集|WWFジャパン
https://www.wwf.or.jp/activities/project/4292.html
・絶滅危惧種とは?2025年最新版!26種類の動物を一覧で解説 (cococolor-earth.com)
https://cococolor-earth.com/endangered-species/
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