「いのち会議」とは、「いのち」とは何か、「輝く」とはどういうことか、「誰一人取り残さない」ために何をなすべきかを、あらゆる境を越えて考え、話し合い、それぞれが行動に移す場です。いのち会議 

いのち宣言

【提言】テクノロジーを用いた教育の力で不条理を乗り越え、すべての人が希望を持って学び、未来を信じられるようにしよう。

概要

人間の歴史とは、不条理とのたたかいの歴史です。戦争、貧困、差別、災害、格差——そのすべてが人類の歩みに影を落とし続けてきました。哲学者・市井三郎が唱えた「人類の進化とは不条理の克服にある」という考えは、まさに私の人生と事業の根幹にある思想です。この不条理の連鎖を断ち切る最も確かな手段は「教育」だといえます。

しかし、現実には、従来型の教育だけでは救いきれない人々が存在します。教室という空間に来ることができない子どもたち、教員不足に苦しむ地域、教材の配布が追いつかない状況、さらには内戦や災害により継続的な学習が断たれてしまうケースも少なくありません。特にサブサハラ・アフリカを中心とした地域では、人口の急増により学齢期の子どもの数が急激に増加していますが、それに対して教室や教員といった既存のインフラでは、物理的にも制度的にも、そして何より予算的にも対応が困難になっています。

こうした現実に対して、テクノロジーはどのように応えることができるでしょうか。キャスタリア株式会社は、設立以来、日本を含む世界各地でデジタルラーニングの推進に取り組み、近年ではアフリカ諸国において、スマートフォンを活用したモバイル学習サービス「GOOCUS」を通じて、教育機会の地域格差や経済格差を超えていくプロジェクトを展開しています。

とりわけ、インターネット接続が不安定な地域に向けて開発された「GOOCUS Edge」は、通信環境に依存せず、教材を事前にダウンロードしオフラインで学習が可能な仕組みを実現しました。これにより、難民キャンプや農村部の学校、災害や紛争で学びの場が不安定な場所でも、継続的かつ拡張性のある学習環境を構築しています。

キャスタリアはテクノロジーを「性善説」で捉えています。つまり、テクノロジーは人間の尊厳を守り、社会の不条理を乗り越える手段になり得るのです。教育にテクノロジーを融合させることで、従来の教育制度の限界を超え、これまで学ぶ機会が届かなかった人びとに「可能性の扉」を開くことができます。

例えば、ケニアやエチオピアでは、女子生徒が学校を中退する主な理由の一つが、家庭の経済的事情やジェンダーの役割に基づく教育機会の制限です。保護者の影響が大変に大きく、こどもたちの未来を決めるのは保護者です。このような状況の中、保護者たちが教育を優先的に考えない場合、こどもたちの未来はそこで絶たれてしまうのです。教育がどのようにこの悪循環に立ち向かうことができるのか。たとえば家庭内でもスマートフォン一台で学べる環境が整えば、教育の継続が可能になり、教育の断絶を防ぐことができます。さらに、教師自身へのデジタル研修や教材の標準化を通じて、教育の質の底上げも図ることが可能です。

もちろん、全てがこのような安易な発想の中で改善できるわけではありません。どうしようもない現実に無力感を感じることも多々あります。しかし、何かできることがあるんだという希望を持ち続けなくてはなりません。

不条理の中に置かれた人々に対し、「学ぶ機会」を届けること。そして、自らの意志で未来を選び取る力を持てるよう支援すること。それこそが、テクノロジーと哲学を両輪としたキャスタリアの使命であり、終わりのない挑戦です。

「いのち会議」はキャスタリアが掲げるビジョンに深く共鳴し、すべての人が「安心して学び、生きる」ことのできる社会の実現に向けて、教育とテクノロジーの力で不条理の連鎖を断ち切る活動をキャスタリアとともに続けていきます。

参考情報

・キャスタリア株式会社
 https://www.castalia.co.jp/home


関連するアクションパネルのテーマ

2.教育・こども

関連する「いのち」

いのちを「はぐくむ」

関連するSDGs