いのち宣言
【提言】多様な世代が生き生きと暮らせるミクストコミュニティづくりにより、公営住宅が集積する地域で高齢者や低所属者が孤立しないようにしよう。
概要
日本の公営住宅の実情を知っていますか?
公営住宅は、収入が少なく住宅の確保に困っている方々に、低廉な家賃で良質な住環境を国や地方自治体が建設費等を負担し、住まいを提供しています。入居は公募が原則で、収入要件などがチェックされています。家賃は一律でなく、収入に比例して上がっていく応能応益制が導入されています。民間賃貸住宅とは異なり、共用部の清掃なども外注すると入居者負担が大きくなるので、住民の自治的管理が原則です。これが、公営住宅の適切な運用です。
ただ、応能応益型の家賃では収入に余裕の出た世帯は転居します。適切な運用もあり、新たな入居世帯は低所得か福祉的な課題を持った方々が多数を占めています。その結果、国交省が開示した2015年の公営住宅の入居世帯の高齢化率(60歳以上)は6割、世帯収入区分は月収10.4万円以下が8割1)となり、「誰が自治的管理を担えるの?」「お世話役は誰ができるのか?」という課題が生まれています。また、近年は外国籍の入居者も増え「言葉」の問題も生まれています。
大阪市西成区北西部は市営住宅が44棟1500戸以上あります。また、老朽化した木造住宅が集中する密集市街地2)でもあり、ファミリー向け世帯の民間賃貸住宅はほとんどありません。西成区が掲げる「すべてはこどもたちのために」3)を進めようにも子育て世帯向けの住まいは圧倒的に不足しています。
一方で西成区の市営住宅の政策空家(建替等に備え、新たな入居を控えた空家)は500戸以上とも言われています。これらを住まいに困窮する子育て世帯や若者世帯等にも積極的な活用ができれば、高齢化に直面する自治的管理の担い手問題にも希望が持てます。
西成区にある株式会社ナイスは密集市街地にファミリー世帯向けの賃貸マンションや空家転用型の若者シェアハウスなどを整備し、地域団体(ヒューマンライツ福祉協会、にしなり隣保館 ゆ~とあい等)が相談や見守り、居場所などのサービスを提供し、ミクストコミュニティづくりに取り組んできました。このネットワークを活かし、政策空家等をナイスや地域団体が自治体からサブリースし、支援付きの若者や子育て世帯向けの住まいとして提供できるように行政へ働きかけます。
いのち会議は、地域団体と連携しながら、総合生活相談や自治会サポートなどのソフト面の整備も忘れずに、 公営住宅が集積する地域でミクストコミュニティづくりを通じて、高齢者や低所得者が孤立しない 地域をつくっていきます。
参考情報
1)国土交通省 「公営住宅制度について」
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12201000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu-Kikakuka/0000196081.pdf
2)大阪市 密集住宅市街地の整備と補助金制度について
https://www.city.osaka.lg.jp/toshiseibi/page/0000255852.html
3)令和5年度西成区運営方針
https://www.city.osaka.lg.jp/nishinari/page/0000601001.html
・株式会社ナイス
https://nice.ne.jp/
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